[読書]骨を彩る 彩瀬まる
自分にとって心地良い文章に出会えると、なんだか嬉しくなる。著者の紡ぎだす文章はなんかふわふわしていて、胸にしみこんでくる。最初の話のイチョウの葉のきらきらした黄金色の雨から最後の話のフィナーレへと優しく連なっていく情景がまばゆい。
お話は、とうに亡くなった妻への思いから離れられず、それが自分の中で他の人の記憶とぐるぐると巻き付いる者。子供の頃の記憶に巻き付かれ、自分の子供とうまく向き合えない者等々皆、何か骨の奥にに何かを抱えて生きている者達のリレー方式だが、それぞれの結末が良く、読んでいて優しくなれる。