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rich_otter743
そう言えば網棚放置の雑誌・新聞はどこへ
昭和の頃都市近郊の通勤電車では、良く網棚に雑誌や新聞が結構放置されていた。駅売りの夕刊紙やスポーツ紙は、買って読んだが家に持って帰っても家族に見せたくない様な風俗情報欄とかもあったのでそのまま網棚へというのが定番だった気がする。
網棚に載せた客がそのまま電車を降りると、それを見た他の客が持っていき読んでいた。当時はコロナ前ゆえ他人が触ったものでも平気で持っていって読んで網棚に返すなんてことが不文律になっていた。潔癖症の女性からみたら考えられないだろうが、いい加減なオヤジどもは良くやってたのでは。
更につけ加えると、これらの新聞・雑誌は網棚に残されると最後は「ひろこ」と呼ばれる方が回収して、業者に売っていた。その一部は路上や古書店で売られてもう一度巡回していた。非合法ではあったろうが、ある意味再利用システムであったし、回収と販売の雇用を作っていたとも言える。ちなみに「ひろこ」と呼ばれる方々は夕刊紙等の三行広告で「ひろこ求む。」といった一見尋ね人のような広告で人を探していた。(人から聞いた話です。)
ネットが普及してしまい、今や通勤電車では8割方はスマホを見ており、車内で新聞を広げる人はほとんど皆無と言っていい。駅売りの新聞も売れ行き悪いだろう。そしてそれらを網棚から回収することで成り立っていた仕事をしていた人達は今、どうしてるだろう。恐らくまた別のシステムに取り込まれているのかな。