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[読書]活版印刷三日月堂 ほしお さなえ

 周囲の人に背中を押され、祖父の残した活版印刷所を再開した弓子。彼女のところへは何故か、心に何かを抱えた人が吸い寄せられる様にやってくる。そして彼女の印刷機は完成品とともに、人々のモヤモヤを掃き出していく。

 弓子と似た様に伯父の喫茶店を引き継いだ青年の過去からコースターへつながるお話に始まるお話達は、それぞれ二重写し・三重写しに綴られていて、星の様に煌めいている。文章も読み易く、すーと頭に入ってきて、心地よい。

 そんな印刷所の日常は、心が洗われるようで、とても癒される。本を読んでいて良かったと思える一冊です。

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