[読書]ヒート 堂場 瞬一
競技スポーツは筋書きの無いドラマと言われる。知事の命を受けた県職員音無は、陸上界の異端児にして天才山城に世界最高記録を作らせるという筋書きで、新たなマラソン大会を構築していく。
お話はこの大会の肝となる山城と、ペースメーカー役の甲本をレースに引っ張り出すことに多くのページが割かれていくが、終盤レースが始まるとこの2人の息詰まる心理戦が始まり、ページを捲る手が止まらなくなる。
ここからは、音無の筋書き通りには進まない。正に著者が作った筋書きの無いドラマ。前作「チーム」のメンバーも絡み衝撃の結末へと向かうが。