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[読書]天盆 王城 夕紀

 天盆て何?どうやら将棋に似た盤上ゲームであるらしい。だが最後まで、そのルールは分からず仕舞だった。それでも何故だか、その勝負の興奮がリアルに伝わってくる様な気になれるのは、著者の力量だと思う。

 古代中国に似た架空の国に住む15人の血の繋がらない一家の活躍は、ベタだけど何か温かいものがこみ上げてくる。構成・敵役の設定・心理描写等も良く、最後まで存分に楽しめた。末子・凡天の天盆戦での約束された活躍。彼の存在は紛れもなく一家の要であった。

 さて、折角作ったこれだけの世界。ここで終わらせてしまうのは惜しい気がするが。

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