見出し画像

志望動機に良いも悪いもないと思っている

この記事がすごく共感しました。


僕は今の会社に入って、おそらく500回以上は面接をしているのですが、志望動機に良いも悪いもないと思っています。それでその人が優秀かどうかの見極めをするのは傲慢だと思っています。

志望動機でかっこつけなくてよい

記事にあるように、ほとんどの企業は唯一無二の存在ではないし、特に転職者側から見れば特にそうです。だからこそ、みんないろんな企業を受けているわけですし。
にも関わらず、新卒採用の文化を引き継いで志望動機でかっこいいことをひねり出したりその人にとって唯一無二であることをアピールするのって、なんか変な風潮だなと思います。

だから、僕は面接のときに志望動機を聞きますが、できるだけかっこいいことを言わないでほしいと思っています。「世の中を良くしたい」とはみんな思っていますが、転職のときにそれが第一である人って少ないですよね?であれば、第一の理由を教えてほしい。複数あれば、それも言って欲しい。無理して茶番を演じてほしくないのです。
僕は「きれいでない発言にこそ、その人の本質が現れている」と思っています。だから、「給料を上げたい」でも「会社の人間関係が悪かったので転職したいと思った」でもいいです。「たまたまエージェントから紹介された御社の事業がおもしろそうだと思った」でもいいんですよ。

逆に言うと、面接官側の僕も転職者が唯一無二の人だとは思っていません。だからこそ別にお互いが運命の相手を見つけようと願ってはいないほうが自然だと思っています。

一方で、僕は今の会社を世界で一番好きだから今在籍しているのですが、それは入社してからの様々な出来事で愛着が湧いているからで、運命の相手だから入社したわけではなくて、運命の相手になったのです。

もちろん、これは企業の特徴やフェーズによっても違うとは思いますが。ある程度の規模の会社であれば、だいたいそんなもんだろうと思っています。

それでも志望動機を聞く一番の理由

とは言うものの、志望動機は聞いています。それは、その回答で優劣を見極めたいというよりも、自社がその人の希望を叶えられるかを見たいと思っているからです。

例えば僕の面接(メガベンチャー?のインサイドセールス)だと、「安定した会社に行きたいと思った」と言われると、「うちの会社より安定した会社ってめちゃくちゃたくさんあるからそっち行ったほうがいいんじゃない?」と思います。「人事コンサルになりたいので勉強したい」とかも、「それなら最初から人事コンサルの会社に行けばよくない?あなたの経歴ならどっか入れるのでは?」とか思います。

これらは、別にその人の熱意の多寡や能力を見ていません。単純に、合っていない環境でズレがあるまま入社してほしくない、ただそれだけです。

例えばこんな回答をされたら

志望動機について「給料を上げたいからです」と答えたらの例ですが、僕は次に「給料が多い会社だったら、うち以外に◯◯とかありますよね?そこは受けてないんですか?」と聞きます。
それで「受けてます、でも落ちました」でもいいですし、「受けてない」ならなんで受けていないかを聞きます。そうすると「体育会系の営業組織が嫌いだから」とか「外資よりも内資で日本のために頑張りたい」とか回答が来て、だんだんとその人の人となりや価値観が分かってきます。そうすると、そもそも自社の今いるメンバーと上手く働けそうな人柄かどうかも見えてきます。

「志望動機を上手く言えるかどうかでコミュニケーション能力を見ている」だって?

「志望動機自体を見ているのではなくて、会社員としてやっていく上で相手に合わせた回答をできるかを見ている」という意見も聞いたことがあります。でも、僕はこれこそが茶番と感じてしまいます。上手く回答できるかどうかは別の質問で見ればよいのでは、と。

転職者にとって得かどうか

これまで面接官側としての希望を書いてきましたが、一方で志望動機をかっこよく言ったほうが受かりやすいかどうか、つまりはその転職者が得するかどうかでいうと、これは難しい問題です。「もしかすると短期的には受かりやすくなって得するかも」と思っています。

なので、かっこいい志望動機を言うなと強制するのもちょっと違って、難しいです。ただ僕が面接官として思っているのは、短期的な損得よりもこういう場でも自分らしくいれる人のほうが魅力的だなと思っているだけです。

おわりに

これはあくまで僕の考えなので、同じ会社でもいろんな考えの人がいるし、自社を代表して発言しているわけではないです。僕の会社を受けようとして、これに沿った回答をして落ちた方がいたらごめんなさい。(僕が面接官だったときは、マジでかっこつけなくてよいです)

いいなと思ったら応援しよう!