人とロボットが共存するとき
先日お墓参りに行った帰りに、久しぶりにファミレスに入ってびっくりしたことがあります。
春休みのせいか平日の割には混んでいてほぼ満席でした。
そんな中店員さんはさぞかし忙しいだろうと思いきや、悠然とフロアを歩いて備品の整頓をしたり、気づいたところを清掃したりしています。
最近は注文がテーブル毎にタブレットで出来るのは知っていましたが、それでもこれだけ混むと配膳なんかが大変なはず。
それにしても店員さんが配膳する様子がないので訝しく思っていたら、テーブル間をゆっくり動く何かを見つけました。
配膳ロボットです。
高さは1mくらいでしょうか、4段ほどの段それぞれに食事載せて、頭にはネコのような顔が描かれています。
さらにその顔が変化することも判りました。まるで笑ったり、拗ねたりしているみたいです。
なるほど、この子がいたから店員さんは細かい仕事ができるんだ。
でも動きがだいぶスロー。忙しい時に邪魔にならないかな?
人がハキハキ動いた方が絶対速いよね?
でも愛嬌あるなぁ。お客さんの声に反応しているみたい。
よく見ると、人間と役割分担してることも判りました。
ロボット君が料理を運んで、店員さんはそれをテーブルに載せます。
確かに運ぶ手間だけでも相当だし、人間がやれば落としたり零したりすることもありますね。
そんなロボット君を見ていてふと思いました。そもそも速いことっていいことなのだろうか?
手早いのはいいとしてもサービス業の場合、動き方によっては速さがお客さんに不安感を与えることもあります。
というのも自身を振り返ると、介護の仕事をしていた時によく動くものだから「働き者だね~」ってよく言われた半面、陰では「あの人怖い」とも思われていたらしいのです。
私の癖として、介護施設内でかなりの速足で歩いたり急に方向転換をしたりすることが多かったように思います。
お年寄りが相手だからゆったり構えなければいけないと頭では解っていたのですが、一人を介助中に廊下の反対側からナースコールが鳴っているといったようなことは日常茶飯事。
つい焦って急な動きが多くなってしまい、動けないお年寄りから見たらそれが乱暴で怖く感じたと思います。
あっちを立てればこっちが立たず。介護士に拘わらずこれはサービス業全体の宿命でしょう。
でもこのレストランではロボット君がいてくれるおかげで、店員さんは落ち着いて店全体を見渡して仕事ができます。
あともうひとつロボット君がいるメリットは、虫の居所が悪いお客さんでもロボットにクレーム言う人はいないだろうということ(笑)
それにあのネコちゃんの笑った顔を見たら、みんな和んでしまうでしょう。
これまで通りテキパキ動けるスタッフは重宝されるでしょうが、みんながそれが出来るとは限りません。
業務を速く処理しようとマルチタスクでアップアップになるくらいなら、ロボットと分業した方がずっといい。
そしてロボットのテンポに合わせて動いてみるのも悪くない。
これからの人とテクノロジーとの融合が楽しみになった、そんなひと時でした。
引用:YouTubeFNNプライムオンライン