スクリーンショット_2019-06-01_16

大事な観点@5月29日のアベプラ

5月28日の朝、川崎市で登校中の児童らを襲った殺傷事件。
この事件を受け、Twitter界ではあるツイートが話題になっていました。

ツイートの主は、フリーランスのエンジニアでカウンセラーでもある中村カズノリさん。
このことを受け、5月29日(水)放送のAmebaPrime(アベプラ)に、ご本人と、当時、中村さんのカウンセリングを担当された日本家族再生センター所長の味沢道明さんが特別ゲストとして出演されました。(司会進行:平石直之 MC:宮澤エマ アンカー:パックン レギュラー:堀潤、松浦シゲキ ゲスト:野村将輝)
この回が、個人的に非常に勉強になる点が多かったので、メモにとっておきたいという気持ちと同時に、多くの人に共有しておきたいと思ったので、簡単にまとめてみました。

人(社会)と繋がれるかどうか

味沢さんのカウンセリングなどを通した経験によれば、人が「死にたい」「殺したい」という話のは、よくあるケースといっても過言ではないそう(なので、誰もが当事者になる得る)。その点から、そのような願望を抱く人たちが社会から孤立し、絶望してしまうことを防がなければならないと味沢さんは言います。

中村さんに至っては、この「孤立」や「絶望」に至る、ギリギリのラインでカウンセラーである味沢さんと繋がれることができ、「殺したい」という気持ちを抑え、踏みとどまることができたそうです。
この「人と繋がれるか繋がれないか」は、当事者の生きてきたプロセスの中で、「他人が自分のことを理解してくれた」という体験があるかないかで、人を信じられるか信じられないか、そして、人との繋がりが持てるか持てないかが、別れてしまうのです。

当事者の視点に立つ

味沢さんは、「これから殺しに行きたいんだ!」との発言があったとしても、当事者(加害者)の視点で、冷静に話を聞くことが大事だと語ります。
「殺すのはだめだ!」というと、当事者は殺すしかない。「死ぬのはダメだ!」と言われてしまうと、当事者は、死んで証明するしかないという気持ちに陥ってしまうのだそう。当事者の「死にたい」や「殺したい」などの気持ちを受け止めると、「死にたくなる気持ち」や「殺したくなる気持ち」をどんどん喋り吐き出すので、当事者は、「死ぬ(殺す)」必要がなくなる。

例えば、味沢さんの元に「これから殺しに行きたいんだ!」という話があったとしても、「どうやって殺すの? 包丁持って行くんだ? 包丁買ったんだ?」などと、相手を肯定し、冷静に話を聞くことによって、当事者はどんどん話しをするようになるという。自分のことを解っている人がいると当事者は、殺す必要がなくなっていくのです。

当事者の話しを聞き、自分が話す時のポイントは、普通に冷静に喋ること。感情が高ぶっている人に煽られてはならない。そうすることで、相手も普通の会話をすることができ、段々とリアリティを取り戻す。結果、普通の感覚を取り戻すことができる。

急性的な衝動や行動を解決することはできても、必要なのは、根本的に解決することです。例えば、無職で引きこもりの状態の人がいる場合、仕事ができなくても、絶望しなくて済むような認知、価値観になるようにすれば解決へ少しずつ導いていけるのだと味沢さんは語ります。
「仕事できない? じゃぁ、遊びなよ!? お金ない? 誰かから借りなよ!」といったように。視点をずらし、肯定感を持たせる。悪いところをプラスに転換していく。

そして、「大丈夫だよ」という言葉をかけてあげる。その言葉があれば、それだけでフッと落ち着くと中村さんも語ります。

また、引きこもりなどが長期化してる状況の背景には、家族も同じ価値観である可能性が高いと味沢さんは言います。「仕事をしていない=ダメ」だと思い込んでいる。そうなると、出口が塞がれていってしまう。仕事ができない=ダメ」だという、家族も本人も同じ価値観だと、自分がダメだと思い込まされてしまい、負の循環に陥ってしまう。
「仕事できなくてもいいよ」と促し、仕事ができないなら、ボランティアをするなどの出口を作っていくように、促していく。

例えば、今回の事件の当事者であれば、ずっと引きこもっていたら、「しばらく、引きこもってなさいよ。5年? 10年? 引きこもってたらいいんじゃないの?」認めてくれる人がいるんだと思って、心を開き、人との接点ができていくのだそう。

カウンセリングに導くためには?

大事なのは、本人の在るがままを受容すること。そして、自分の価値観を押し付けないこと。
「カウンセリングを受けろ!」と言われるだけで、当事者は自分が否定されている気がしてしまいます。

また、味沢さん、中村さんのお二人は、社会の中で「カウンセラーが偉くなり過ぎている」ことも指摘。立派な資格、立派な学歴「カウンセラー=偉い」という認識だと、当事者は「偉い先生はいいよね」「俺(私)ら違うよね」という考えになってしまい、カウンセリングを受けない状況を作ってしまいます。つまり、権威が邪魔してしまうのだそう。

例えば、「変態なんです」という悩みを持つ人がいれば、「変態のカウンセラーいるから話、聞いてもらったら?」と促すと、当事者は安心して、自分の心を打ち明け、話をすることができる。
カウンセラーがいかに当事者の視点に立って、落とせるかが、ポイントなのだそう。そして、身近な人が当事者の感情に対して肯定し、寄り添う。

個人的まとめ
・当事者の視点に立つ
・自分の価値観を押し付けない
・寄り添う
・感情に対して、肯定する
・「大丈夫だよ」と発信する

社会が変わるためには、まず自分が変わっていかなくてはならない。
久々にアベプラ見たけど、非常に学びとなる回だった。
そして、パックンの質問が非常に鋭く、的確だったと思います。この回のアベプラ、放送された5月29日から一週間は再放送が観れるようなので、気になる方、見逃した方は、ぜひチェックしてみてください。
https://gxyt4.app.goo.gl/UEc7V


いいなと思ったら応援しよう!