手の太陰肺経 経穴 名前について。
鍼灸学生さん向けかな?
肺経の経穴の名前の由来を書きたいと思います。まぁ諸説あるとは思いますが…自分が知ってる事というか、こう覚えたというものを書いていきます。
こういうのも知っておくと覚えやすい…かも(笑)
1.中府
「中」は中焦の意味。「府」は集まる所を意味します。
つまり、中焦からの気が最初に集まる所として「中府」と名付けられました。
2.雲門
「雲」は雲霧(立ち昇る湯気がモヤモヤしてる様子)の意味。「門」は出入口の意味。
中焦から立ち昇った気が天気と交わり、肺経の経気としての出発する所である。
3.天府
「天」は身体の上部(五臓六腑で1番高い位置にある肺)。「府」は集まる所の意味。
古人は腕を真っ直ぐ顔の前に挙げた時、鼻と当たる位置を経穴としました。
鼻は肺に代わり天気を受けると言われています。
つまり、肺=鼻。そこに当たる位置に「肺」を意味する「天府」と名付けた。
4.侠白
「挟」は「夾」そばと言う意味。「白」は白色。
五色で「白」は「肺」になります。
上腕にあるこの経穴が肺(白)を挟んで両脇に位置することから「挟白」と名付けられました。
5.尺沢
「尺」は肘を意味します。「沢」は水が集まる所の意味。
「尺沢」は水穴ですので、肘にある水穴と言う意味になります。
6.孔最
「孔」は穴、隙間を意味します。「最」は集まるや第一を意味します。
開瘀通竅作用が強いことから名付けられました。
また、「孔最」は肺経の郄穴です。郄穴は孔郄の意味で、経気が深く集まる場所です。
つまり、この経穴が郄穴であるとあらわしています。
7.列欠
「列」は分裂の意味。「欠」は割れ目、裂け目の意味。
経穴が橈骨茎状突起の割れ目に位置することから名付けられた。
また、肺経の絡穴で経脈がここから別走することも由来です。
8.経渠
「経」は動いて留まらないという意味。「渠」は運河や用水路という意味。
「経渠」は肺経の五兪穴での経穴で、経気が休まず流れて留まらない状態です。
肺経の経気が通過する重要な渠道(用水路)で、位置が橈骨茎状突起の内側陥凹部にあり形状が水路に似ていることから名付けられました。
9.太淵
「太」は大きいを意味します。「淵」は深いという意味。
経気が深く集まる所という意味で名付けられました。
10.魚際
「魚」はそのまま魚。「際」は辺縁を意味します。
「魚際」の位置する筋肉の隆起が魚の腹に似ていたのでこう名付けられました。
11.少商
「少」は小さいという意味。「商」は五音で肺にあたる。
肺経の経気が浅くチョロチョロと流れる様子を例えて名付けられました。
このように名付けられた由来を知る事でさらに経穴の理解を深める事ができるのではないでしょうか。