千葉の匂い
私は千葉県北西部出身だ。
千葉には季節の匂いがある。
4月の朝の匂い、梅雨入りしそうな5月の匂い、真夏の夕方の匂い、秋の肌寒い朝の匂い、冬の冷たい空気の匂い。
どれも、おもに高校時代までに毎日感じていた匂いだ。
匂いと一緒に、登校するときや授業を受けているときの記憶がよみがえる。友達と遊んだ記憶も。
大学進学を機に東京へ引っ越した。
それから就職してしばらくの間は、東京や埼玉に住んでいた。
そして数年前、千葉に戻ってきた。
しばらく離れていたことによって、”千葉の匂い”に気がついた。
具体的には何の匂いなのかというと、おそらく花や木や土の匂い…。
でもそれは東京にも埼玉にもあったはずだから不思議だ。
正体ははっきり説明できないけれど、とにかく千葉はいい匂いがする。
生まれ育った場所というのはいいものだ。
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