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後ろ姿

前を行く大きな後ろ姿
追いつきたくて
同じものを見たくて
小走りでついていく
追いかけても追いかけても
振り返りはしない

合わせてもらうことに慣れきって
歩みを合わせることを知らない人
どこまで歩いていくつもりなんだろう

追うのに疲れて
歩みを緩める
どんどん遠ざかっていく
愛しくも憎たらしい背中

私が夕焼けに目を奪われていることも
道端の花に心を寄せていることも
歩き疲れて涙目になっていることも
何も気付かぬままに すたすたと

夜が来る
あの背中が私の不在を知るのは
いつだろう


ふと思いたって昔の写真を見返していたら、
昔、元夫を好きだった時の気持ちが思い出されて。
冷静になって振り返ると、想い合っていると思っていたのは幻想で相手にとっては都合の良い存在だっただけなんだろうということに直面して、
胸が苦しくなる。
報われないのに必死で追いかけて傷付いていた。
私を傷つけても気付かないし平気な人だった。
なぜあれが愛だと思ってしまったんだろう。

最近はもう、元夫にされた酷いことの数々も記憶が薄れてきて、すっかり過去になってきたけれど、
傷付いてもその場所を選んでしまったあの時の無邪気でひたむきだった自分が、悲しい。

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