「赤いパンツ」非正規公務員を飛び出した54歳の冒険#20
面接に受かったのはとても嬉しかった。
しかしふと気づく。
仕事に何を着ていけばよいのか。😨
私のキャリア関係の仲間より、
UNIQLOのオフィスカジュアルがおすすめとのことで、
善は急げと、お昼も食べずにUNIQLOへと向かった。
久しぶりの来店である。l
今日までスーツがお求めやすくなっていた。
何せ今は、腸が千切れるパンツしかない。
感動パンツなるものを、色違いで3本と、セットのジャケットを一つ。腸が千切れないサイズで。
普段はセレクトショップで、ナチュラルな服ばかり買っていた。
いわゆる世間でいうところの仕事着を、私は持っていなかった。
オフィスカジュアルのトップスにピンと来なかった私は、
飲まず食わずのまま、いつもの服屋さんに寄った。
店長はキレイめのトップスをいくつか出してくれた。
でも、どうもその感動パンツとの組み合わせに自信がなかった。
そして前もって教えていただいたオフィスカジュアルと、提案いただいたトップスとのギャップ。
お腹も空いていて、疲れも溜まっていて、
あーでもないこーでもないと、
散々迷った挙句、結局決められず、
ただただ好きなTシャツを買うことにした。
いつもの服ならすぐ分かるのに。
素敵なボトムスも見つけ、
合わせて買って帰ろうとしたとき、
それならばと店長がおすすめしてくれたのが、赤いパンツだった。
絶対元気出るから、って。
買おうとしたボトムスは、ブルーグレーとオリーブ。
多分お仕事にも履いていけるのではないかという邪心があった。
店長はそんな私の気持ちを見透かしてた。
そして必死に社会に合わせようしている、私のことも。
「確かにそのボトムスは素敵だけど、今じゃない。
これ持って帰ってもいいけど、暗い色だよ。
持ってて元気が出るのは、こっちの赤だよ。」
今日私が履いていたスカートはオレンジだった。
確かにこの暗い色のボトムスたち、
めっちゃ素敵だけど、今から履くには暑いです。
お金も有限じゃない。
服って、一日纏うもの。
何が着たいのか。どんな服を着て、どう自己表現するのか。
これはもはや自分軸の話。
私は、ここ1ヶ月ぐらい、不安でビョーキになりそうだった。
私に必要なのは、仕事にいく服でもあるが、
元気が出る服だったのかもしれない。
自分の顔がパァっと明るくなったのが自分でも分かった。
就職活動は、会社や社会の軸に合わせる作業でもある。
しかし自分を忘れて、合わせることばかり考えて、
頭を抱えているのはちょっと違う。
仕事には仕事着で。半ば致し方なく。
お家に帰ったら、着たい服を着る。
服を通して、
自分軸を考えた一日。