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永六輔「無名人のひとりごと」読了

恥ずかしながら永六輔さんを名前くらいしか知らなかった私。

図書館でたまたま目が合ったので借りてみた。



ちなみに「永六輔」ってどんな人?

テレビやラジオなどを中心に活躍。軽妙な語り口と歯に衣着せぬトークで人気を集めた。

1961年7月に坂本九により初演され、その後世界中でヒットしたポップソング『上を向いて歩こう』の作詞者として知られる。また短く簡単な言葉で物事の本質を突く、短文の名人としても知られ、著作も多い。『大往生』は200万部を超える大ベストセラーとなった。

日本でテレビジョン放送が始まる前の実験放送からテレビに関わっており、数々の番組の作・構成を手がけた「放送作家」の先駆者といえる。日本のテレビ草創期を語るときに欠くことのできない存在である。

2010年になってパーキンソン病と診断されたことを公表。

ぜーんぶWikipedia


本の内容のほとんどは私が軽い気持ちで言葉にして良いような内容では無いくらい刺激的で攻撃的。
でも、不思議とクスッと笑ってしまうところや、そうだよなーなんて納得するところもたくさんある。


クスッと笑った一節をちょっとだけ。

「よく眠れないんで、睡眠薬をもらったんだよ。
それで、やっと眠れたら午前四時に起こされて『時間です。睡眠剤のんでください』って言うんだ。
寝てたんだよオレは」

プロレスで巨富を築いた力道山が、ある時、ガソリン・スタンドで五〇円余計にお釣りを貰ったのに気がついていったという言葉。
「逃げろ!」


今紹介したのは全然問題ありませんが、他はまー過激!
「歯に衣着せぬ」とは言いますが、ここまでストレートに表現するのってすごいですよね。
今じゃ当たり前のように炎上確定。

当時でも色々な方面からアンチが来そうですが、そんな事気にせずに本にできるのですから、経験や知識、想いなどの熱量すごかったんでしょうね。


そんな事を思っていたら本の最後に矢崎泰久さんの「永六輔を知ってますか」にこんな一文。

そんじょそこらの有名人、著名人とは存在そのものが違う。そのあたりをどうか知って欲しい。ま、ご本人はこんなプロフィールを紹介することすら面白くないかも知れないが、近頃は永六輔を知らないすれっからしが増加していると聞く。老いたりと言えど本格派は綻びたりはしない。そこらに氾濫しているテレビ系有名人を見るがいい。永六輔の爪の垢を煎じて飲ませたい。
ましてや天狗だらけの現代風有名人に不快がられる人間として生き続けて欲しいと思う。

これまたゴーイングマイウェイ!


二つだけ「素敵!」と思った一文。

まえがき「老いしい生活」より抜粋
世間は僕を隠そうとするけど、病院に行くとこういう楽しいこともあるとか、病気の症状の面白いところとか、聴取者や読者はつらいことばっかりではなくて、面白いことも聞きたいはずなんです。悲観的よりも、できれば楽観的に老いて、病気になって、最期を迎えていきたいと思ってます。これがホントの「老いしい生活」です。

老化や病気を楽観的に捉えられると素敵。
歳を重ねてふと思い出したいな。
この「老いしい生活」ってワード


「イタリアデハ、ジブンノタンジョービ、イワイマセーン。
タンジョービ、ハハニプレゼントシマース」

素敵!
イタリアでは自分の誕生日に食べ物やお菓子を用意して、家族を呼び、みんなに振る舞うのが習慣のようです。
家族以外にも職場の同僚などにも振る舞うようです。
自分がこうやって誕生日を迎えられるのはみんなのおかげ!精神。良い!!


最後に!へー、そうなんだ!な一節。

宝塚温泉に大浴場が出来たものの混浴はいけないということになって使い道に困った。
仕方がないので浴槽にフタをして、その上を仮の舞台にし、そこで娘達に手踊りをさせて浴客に無料で観せた。
開演を知らせるのは豆腐屋のラッパだった。
大正三年、宝塚少女歌劇の第一回公演である。


では!今日も楽しい1日にしましょう!

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