見出し画像

JAS有機認証申請に至るまでの想い

うちの農園はずっと有機肥料を使って、無農薬栽培をしてきましたが
JAS有機認証を取得していなかったので、正式には有機野菜を作っているとは言ってはいけない「もぐり有機農家」(笑)でした。
それが今回JAS有機認証申請をしようとしています。その理由を少し丁寧に書いてみようかと。またコトコトファーム便りの引用です。

~~以下、引用分~~~

もう2月になりますね。早い…早いよ・・・・。もっとゆっくり行こうよ。子供が生まれてからというもの、本当に自分の時間が無くなりました。子供と過ごす時間は楽しく幸せですし、家事をするのも実はそんなに苦にならない質ではあるのです。でも、なんだか、あれをやらなきゃ、これもやらなきゃと追われ続けるような毎日です。仕事もしない、家事のことも考えない、子供の寝かしつけの時間や、保育園へのお迎えの時間を考えないでいいような日を、一日でいいから過ごしたいなぁなんて思ってしまいます。まあ、子供が元気に笑顔で大きくなってくれているだけでも、幸せなもんですよね、本当は。

さて、そんな忙しい忙しい愚痴る状況の中、今年はJAS有機認証の申請などにも取り組んでおり、その愚痴もちょっと前のお便りで書いたりもしましたね。で、JAS有機認証をとる理由として、市の給食への有機食材提供を書きました。もちろん、それも大きな理由の1つですが、実はもう一つ理由があるんです。それが、地元の友人を正式に農園スタッフとして迎えるからです。彼はほぼ僕と同じ歳で、ここ常陸大宮市に移住してきた年も同じ。そして農家をやっていました(お米と里芋だけは今もやっているので現役農家とも言えます)。ただ、色々な家庭の事情もあり、育児にかなりの時間を割かざるを得ない状況になり、農業に集中できず、農家仲間の所でのアルバイトを中心に何とかやりくりしている状況がここ数年続いていました。うちでも臨時で働いてもらうことがちょくちょくありました。

 そして僕も育児関係で畑仕事に投入できる時間が減りつつあり、無理しすぎで体調を大きく崩したりしました。そこでうちの畑で彼に正式に頑張ってもらえないかと・・・。というのも、農業をしっかりやっている彼に仕事を頼むと、他の人に頼むより量・質ともに良い仕事をやってもらえます。僕の労働時間の不足を補って、戦力UPを見込めます。
 
彼の方としても、不安定な仕事を色々な人から頼まれるより、収入も安定します。

 そういうわけでこの4月から友人の彼を正式スタッフとして迎えさせていただくことになりました。

 ただ、必ず支払わなければいけない人件費というのは農業では、かなり厳しいのが実情です。そこでJAS有機認証です。いままでは僕が作った野菜は野菜セットで個人さんや飲食店に買って頂いていましたが、それはお客様に欲しがってもらって初めて成り立ちます。スーパーなどの流通に出そうとしても、驚くような廉価で買いたたかれるうえに、契約に至るのにロット数、出荷頻度など様々ハードルがあります。市場に出すと、そもそも自分の野菜の値段さえ自分で付けられないし。

 それがJAS有機認証というシールがあるだけで、価格は大したことありませんが、ハードル低く、取引をしてくれる業者さんが結構います。つまり新たな人件費を下支えしてくれる選択肢を早い段階で確保できやすくなります。

 僕はあまりこういう誰が買ってくれているかよくわからない形態での取引は面白みを感じないのも確かですが、友人に助けてもらい、彼の生活を支える仕事を作り続けるには、早い段階でその分の売り上げを確保しなくてはいけない。その状況と給食食材のタイミングが重なり、今回のJAS有機認証の取得と帰結したわけです。もちろん、当初からのこだわりの個人様への野菜セットのほうは変わらず続けていきますし、できればそちらのお客様が増えてくれた方が嬉しいです。

 そして今回のこの決断に当たって、またいろいろ考えていることは次号のお便りで続きを書きますね。

いいなと思ったら応援しよう!