声だけでいいと言われて始めたYouTubeで顔出しを迫られた結果、継続は力なりを感じた話
2021年の10月からYouTubeを配信している。
私個人のチャンネルではなく、理事を務めるコンサルタントの会の公式チャンネル「リベラルにいこう!」だ。リベラルアーツを軸に、個の力の発揮を後押しするコミュニティとして、代表理事と2人で毎週お届けしていて2023年7月24日が100回記念の配信となる。
この節目に、約2年かけて100回に至るまでの変遷を振り返り、気づいたことをまとめてみた。
これからYoutubeでの配信を始めたい人や、効果的な情報発信の方法を探している人、続かなくて悩んでいる人などに参考にしてもらえると嬉しい。
顔出しをしない約束で始めた音声メディア
なぜ私がYouTuber になったかと言うと、完全に「流れで」としか言いようがなく、決して望んでではなかったし、むしろ抵抗していた。
そもそも、会の発信のために音声メディアを活用しようという案を持ちかけられ、ラジオパーソナリティのような感覚で相手役を引き受けた。音声だけなら何とかなりそうだ、と楽観視していた。
2021年の8月頃、Himarayaという中国発の音声メディアでスタートし、順調に回を重ねていたところ、1ヶ月ほどでシステム変更により配信が有料となってしまいあえなく終わることになった。
6回までの配信が聴きたい方はこちら。第1回は手探りもいいところで、見切り発車でスタートしたことがよく分かるデビュー戦である。
https://www.himalaya.com/courses/3349686
今思うと、名前は出ているとしても顔出しをしないで話すとは、なんとも無責任でいられるものだという感覚。2年経った今でも流れに身を任せて好き勝手に話すスタンスは変わっていないが、顔出し身バレしていると背筋がシャンとする。
チャンネル登録お願いします!と言う日が来た
2021年10月からはHimarayaに変わる配信メディアとしてYoutubeへのお引越しとなった。音声メディアの有名どころであるpodcastにする案もあったようなので、もしそうなっていたら未来も変わっていただろうと思う。
私は顔出しをしない条件で音声配信での相手役を引き受けていたため、Youtubeになってもそこは守られ、顔写真がぴこぴこ動くだけで、動画のメディアを使いながらも正確には「動画」の配信ではなかった。
アニメーションでお届けするYouTubeをご覧になりたい方はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=GrMokfGS670&t=1s
なぜ顔出しNGかというと、「事務所が」ではなく単に毎週配信のための収録のたびに整えて画面の前でスタンバイするのがとても億劫だったからだ。髪型や服装はどうすればいいのか。
そんな理由かと思われるかもしれないが、何かを始めたり続けたりする場合には「無理せずできる」ことも重大要素となる。面倒くさがりの私にとっては、その準備を考えただけで心が折れそうだった。
というわけでYoutubeになっても無理やり音声のみの配信を続け、9ヶ月ほど経った35回目から顔を出して正真正銘Youtubeデビューとなる。2022年4月のことだ。まさか私が「チャンネル登録お願いします!」と言う日が来るとは思っていなかった。
顔出しで勝負すると決めた背景
嫌だ嫌だと言っていた私が観念して顔を出しておしゃべりすることになったのには2つ理由がある。
1つは、編集担当者の強い意向だ。Himarayaでは大した編集もせずに収録をそのままオンエアしていたのだが、Youtubeになってからは編集担当者に手を入れてもらっていた。その担当者いわく、顔を出さない状態では再生回数に限界があるとのことだった。
当時の再生回数は100回以下。50くらいのこともある。そもそもテーマや構成に凝っていない、「おもしろおかしくゆるーく」がテーマのため、観て(聴いて)もらいづらい。その上、本人が話している様子が見えないのでは信頼性も危うい。
もう1つは、私の気持ちの変化だ。
数ヶ月やってみて、これなら続けられそうだという実感を持ちつつあった。しかし編集担当者の言う通り、再生回数がいまいち伸びない。せっかくやっていてもこれでは寂しい。おしゃべりも慣れてきたし、チャンネルの方向性も定まってきたし、今なら顔出ししてもいいかなと思えたのだ。
実はこの頃、初の著書を出版したり、会の理事就任の話も出ていたため、私が顔を出すことで会の知名度が高まり、会員さんを始め多くの方が視聴してくれるチャンネルになるなら頑張る!とようやく腹を括ることができたのである。
100回の配信から分ったこと
2年かけて試行錯誤しながらも毎週更新を続けた結果、100回に至った。習慣化するには28日と言われたり、3ヶ月と言われたりする。だとすれば100回というのは何事においてもそれなりの成果が出る回数なのだろうと思う。確かにこれだけ回を重ねてみて、自分の変化や環境の変化が起きていることが分かった。
環境の変化としては、視聴者が増えてチャンネル登録数が増えて、認知度が高まったことだ。そのために取り組んできたことなので、狙い通りということになる。
自分の変化としては、認知度が高ったこと意外に副産物も多い。その1つが継続の秘訣だ。
私は好奇心旺盛な反面、飽きっぽい、続かない、という特性も持っている。Youtubeは個人活動というよりは会の活動なので、私の一存で辞めるわけにはいかないこともあるが、継続できているのはそれだけではないと考えている。動画配信に限らず誰にでも共通して言えるだろうポイントを、継続の秘訣として紹介する。
1 自分が楽しむ
楽しくなければ続かない。このことで報酬を得ているわけではないボランティア活動に近いならなおさらここは譲れないポイントだ。「続かないんです」と悩んでいる人がいたらぜひ、「楽しめているか?」問い直すことをおすすめする。例えば試験勉強などはそれ自体は楽しいとは思えないことが多いかもしれないが、合格した先のことを考えるときっとワクワクしてプロセスを楽しめるだろう。そういう意味では「楽しむ」ことには受動と能動があるのだと思う。
2 周りの反応が力になる
どれだけの人が関心を持ってくれているか、楽しみにしてくれているか、といった評価は活動を前に進ませる力になる。興味関心の度合いは再生回数に如実に現れるので、無言の反応に一喜一憂しながらも、振り返りはするが反省はしないでブラッシュアップをしてきた。たまに軍を抜いて視聴される回もあったりして、ホッと胸を撫で下ろすこともある。周りにおすすめしてくださる会員さんもいたりしてとてもありがたい。配信は一方通行だが、コミュニケーションは双方向だ。
3 インプットとアウトプットで成長を感じられる
見切り発車で始めた配信は「アウトプット」から始まった。「アウトプット」するために「インプット」することになり、「アウトプット」したことで次の「インプット」に繋がって、という連鎖で、自分を成長させることができた。
人に話すことは学びの質を高めることにもつながるので、最高のアウトプットだと感じている。
過去にライブ配信をやっていた経験から、おしゃべり自体は難なくできる。しかし相手がいて掛け合いとなると話は別だ。漫才のようなネタを仕込む必要はないけれど、1回10分の動画を最後まで見てもらえるように惹きつける会話をしなくてはいけない。編集でなんとかできる部分も多いが、できるだけテンポのいい会話を心がけていて、その結果、瞬発力が鍛えられた。どんな方向から球が飛んできてもキャッチして返せるというのは、対人関係において強みとなる。
誰から褒められるということがなくても、自分が実感していることが最重要であって、継続の秘訣でもあり、自己肯定感や自己効力感を高める秘訣でもある。
人に歴史あり。動画配信にも歴史あり。
どこに行き着くかも分からないまま、ただ「今」を楽しんで取り組んできた結果、得られたものは大きかった。
継続をテーマにした時、目標やゴールの設定に重きをおく説もある。それも良いと思う。でも、どこを目指すか分からないとしても、やらないよりはやる、3日よりは1週間、1週間よりは1ヶ月、とにかく1つ1つ積み重ねていくことが大きな力になるのではないかと思うのだ。
思えば遠くへ来たもんだ。
このnoteは、数年後、そんな気持ちでこの文章を読み返しているかもしれない私への長い長い手紙でもある。