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漢方の哲学『陰陽五行説』って何?①

漢方、東洋医学で治療をするときの考え方のベースになっているのが
陰陽学説と五行学説 です。
このふたつを組み合わせて陰陽五行説といいます。

陰陽とは・・・

宇宙の万物は、陰と陽の組み合わせでできていると考えられています。
例えば、陰の時間帯と陽の時間帯でできているのが『一日』。
陰の季節と陽の季節でできているのが『一年』。
『空間』は上が陽で下が陰。
つまり、陰と陽があってひとつの物、概念が存在するということです。
陰と陽は相対的なもので、どちらか片方では成立しないのです。


体の中にも陰と陽があって、五臓六腑の関係だと、六腑が軽くて空洞なので陽、重い五臓は陰です。
五臓六腑には夫々対になって組み合わせがあります、、、肝(陰)と胆(陽)、肺(陰)と大腸(陽)、腎(陰)と膀胱(陽)、、、というように。

カラダの部位でも、
上半身が陽で下半身が陰、
背中が陽でお腹が陰、

温、熱状態のときが陽に傾いたカラダと診断して、陰の、冷やす作用のある生薬で治療します。
寒く、湿気の多い状態になれば、カラダが陰に傾いたという診断をして、カラダを温める陽の作用のある生薬で治療します。

この陰と陽の状態というのは、いつも同じではなく、どちらかが多くなったり少なくなったりしていて、私たちが目ざすのは、陰と陽の中庸で、良いバランスがとれている状態です。

この陰陽のバランスをとるということは、漢方の治療の方向性を決めるのにとても大切な考え方で、
それを知るために、寒がりか、暑がりがなど、ご本人の知覚を聞きますが、
意外と、知覚と体内の状態が違うこともあるのです。
腕や足を触ったりして、水分が多いかどうか、寒いか熱いか確かめられますし、舌を見て、白い舌なのか赤い舌なのか、苔の状態はどうか、などで判断をすることも大切です。

陰に傾くと冷え性になるから、陽に傾いたら良いのだ、と思いがちですが
陽が過剰になると、熱を持ち、体内を潤している、体液を蒸発させることになり、乾燥を招いて、皮膚の乾燥、腸の乾燥で便秘、ひどくなると、皮膚や臓に炎症を起こすようなことにもなります。

五臓六腑が元気に働いてくれる状況にするために、陰陽のちょうどよいバランスを目指すということはとても大切なのです。


五行説のお話は次に続きます。

インターネットラジオ(ポッドキャスト、アンカー)でこの内容を発信していますので、よろしかったら聴いてくださいね。







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