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C27悪魔の同居人と過ごす花の金曜日の夜
悪魔のように空気読めない同居人ジェームスが今日からこのコテージに住みつくのです。ジェームスはやって来るなり、「イキオ、今日は金曜日だからパブに行こうぜ」と飲みに誘うのです。「ジェームス、残念だが俺はここで週末の夜をゆっくり過ごすのだ」と言い切りました。ワインも買ってあるし、久しぶりに美味しそうな燻製のハムも手に入れたから、たとえジェームズでなく誰か他の人に誘われたとしても、今夜の外出する気持ちはさらさらなかったのです。するとジェームスは、「イキオは酒が飲めないのか?それとも酒が弱いのか?」と少し嘲笑うように言うので、かなりカチンときました。なにせ、大学一年から、焼酎の本場である宮崎で酒は鍛えられてきたのです。
「なにぃー、俺は酒は飲めるぞ!」とむかつきながら言い返すと、「日本人はアルコールが強いのか?」とさらに挑発的に言いました。「ボクはスペインでお酒を飲んでいるから強いぞぉー」と対抗心むき出しでニヤニヤ言うので、「おっしゃ、わかった。じゃあ今からパブに行って酒飲みの勝負をしよう!」と浅はかにも簡単に酒の誘いに乗ってしまいました。スペイン人(正確には英語の話せないスペイン育ちのイギリス人だが…)に負けるわけにはいかない。ましてや、ふざけたスペイン人を相手に敵前逃亡では、宮崎県の人たちに申し開きできないという、よく分からないプライドもあったのですが、金曜日のパブという言葉にも相当引きつけられたこともまた事実です。
ほとんど真っ暗な道を歩いてジェームスについて行きました。私がここに先に住むようになっているが、パブのある場所はまだ私のマップデータベースに登録されていなかったのです。夜道は星の光でなんとなく道筋が見えます。こんないい加減な奴の言うことは信じられるのかと不信感に支配されそうになったころ、遠くに明かりがついた酒場が見えてきました。おぉ、久しぶりに酒場に出向くぞぉ、と胸が高鳴りました。
パブに着くと、内部は思ったよりも広く、多くの人々が賑わっていました。カウンターでは笑顔のバーテンダーが忙しそうにドリンクを作り、テーブルには楽しそうに談笑するグループが集まっていました。ジェームスが私を連れて行ったカウンターでは、先払いでお酒を注文します。超ローカルな国際飲み比べ試合の幕はまもなく開きます。
イングランドの金曜日のパブ
イングランドの金曜日の夜は、多くの人々にとって特別な時間です。週末の始まりを祝うために、仕事終わりの人々がパブに集まり、友人や同僚と一緒に飲んで楽しむのが一般的です。パブはイギリス文化の重要な一部であり、地域のコミュニティセンターのような役割を果たしています。パブでの時間は、ただの飲み会だけでなく、リラックスし、日常のストレスを解消する場でもあります。
パブでは、地元のビールやエール、カクテルなどが楽しめるだけでなく、フィッシュアンドチップスやパイなどの伝統的なイギリス料理も提供されます。金曜日の夜は特に賑わいを見せ、バーテンダーも忙しくなります。多くのパブではライブミュージックやクイズナイトなどのイベントも開催され、客同士の交流が深まる場ともなっています。
イングランドのパブ文化は、その温かさと親しみやすさで訪れる人々を魅了します。地元の人々と触れ合いながら、ゆったりとした時間を過ごすことができるため、旅行者にとっても魅力的な体験となるでしょう。
続く…