スタートアップや中小企業の成長を加速させる管理部門の全貌

皆さんはじめまして、とあるスタートアップで管理部門管掌の役員をしているy-DOiです。

スタートアップや中小企業の経営者の皆さん、管理部門が会社の成長にどれほど重要か、ご存知ですか?この記事では、企業フェーズに応じた管理部門の役割の変化と、それを見逃した場合のリスクについて解説します。


1. エグゼグティブサマリ

頭括式で今日のnoteをまとめると、

「企業フェーズと企業規模によって管理部門の期待役割や変わる」

という話になります。
私見ですが、「企業フェーズ」×「企業規模」での管理部門の期待役割(テーマ)イメージは以下のとおりです。

フェーズと規模に応じた管理部門の期待役割と規模のイメージ
  • 兼業:社長などが請求や支払業務を兼任する段階。専属の人員はおらず、
       「cash」を回すためにやむを得ず対応している。

  • 請負:少人数の専属社員が管理部門の業務を担当するが、割り当てされた
       役割を淡々と行っているだけの状態。

  • 仕組:複数人の専属社員によって管理組織として設置済(組織化)。
       業務運用の効率化を目的として制度設計がなされる。

  • 能動:中期的視点で会社全体に好影響を与えるべく、新たな制度設計や
       取り組みを自発的に試行し、改善を行っている段階

  • 戦略:企業の持続的成長や価値最大化のために、外部環境や市場変化を
       理解した上で、経営とともに中長期的な価値を創造していく段階。        

上記が、各項目のニュアンスとなります。
もちろん関わる管理部門の担当者レベルにより、「アーリー期」×「スモールビジネス」だったしても、「戦略」相当のハイレベルが体制も構築可能だとは思いますが、会社状況的にはスペック高すぎて、そこまで求めてない(理解はできるが納得できない)といった需給のギャップが発生すると思っています。

私のこれまでの経験則的に、この需給のギャップは特に社長を中心とした経営の意識によって生まれることが多かったと思っています。
この「企業フェーズ×企業規模」に照らし合わせた管理部門の役割変遷については、二次元蟻から見る「must have」から「nice to have」への変遷だけでは説明がつかず、企業の継続的成長機会実現という三次元蟻の視点における「must have(但し、二次元からは知覚できない)」を理解・納得できるようになる必要があります。
よくトップの器が組織の限界と言われる事がありますが、経営自身が多次元化を意識できるような成長をしないと、仮に企業の成長に合わせて管理部門が変遷したとしても、その価値を真に認識することが難しく、軋轢が生まれていき結果として優秀層が離脱していきます。

なお、この管理部門の役割の中に、実際の業務領域(人事や経理など)があるのですが、その領域の中でも深さと広さが存在しています。
この点については次の機会に記載をしたいと思います。

2. 私の経歴


最初にエグゼクティブサマリから入ってしまったわけですが、まず著者である私という人間を知ってもらうために、自分のバッググランドから少し説明をさせていただければと思います。

私は現職含めて6社就業経験があり、商社・広告代理店・スマホアプリ開発会社・VC投資・EC・M&A仲介・B2B向けSaaSと業種自体としては幅広めに関わっています。
業種は様々渡り歩いていますが、職種としては管理部門全般を未上場から上場企業まで幅広く経験してきました。
業種や会社ステージを変えながらも18年以上にわたって管理部門業務を行っていますので、管理部門エキスパートとも言えると自負しています。

3. 管理部門って必要なの?

悩む

管理部門って必要なんでしょうか?というそもそもの話です。

経営者目線からすると、ビジネス部門(営業とかサービサー側)というのは分かりやすく収益を稼いでくれる部門・領域なので、その必要性というのは痛いほど認識されているのではないでしょうか。簡単に言うと、短期的な収益を上げてくれる部門と言えるでしょう。

次に、開発部門(所謂エンジニア側やR&D等を行う側、場合よってはマーケティング部門等も)については、将来的な売上を作るための先行投資的な役割であることから、ROIをしっかりと考えて継続的にウォッチする必要はありますが、そもそも必要であるという事に異論はないでしょう。ここも簡単に言うと、中期的な収益を上げてくれる部門と言えます。

さて、最後の管理部門ですね。
ここでカッコよく長期的な収益を上げてくれる部門と言えれば良いのですが、中々そのような事が言えないのが辛いところです。
ですが、18年程管理部門に携わってきた結果の私の所感としては、条件付で管理部門は必須です。
ちなみに、その条件はシンプルで”強く大きい会社を作りたいなら”です。

なお、管理部門が無かったり弱かったりすると以下のような事象がおきます
● 財務管理不足による予定外の資金ショート
● 法務能力不足からくる契約トラブル発生
● 労務管理不備による従業員退職リスクや労働争議リスク
● 税務申告ミスで高額の追徴課税
● セキュリティ対策不足で情報漏洩
● 人事評価制度未整備で社員モチベーション低下
● 特許に関する知見不足による競合からの特許侵害訴訟
等など
会社を経営していたら散見されることかもしれませんが、
管理部門が機能していれば上記のような事象も避けることが可能です。

4. 管理部門の価値は移り変わる


直接的に収益に関わってくる事がなく、所謂”コストセンター”としてみなされるケースも多いと思いますし、若い経営者の方々やビジネスサイド出身の方々からすると、特にそう思われる傾向が強いのではないでしょうか?
正直、「コストセンターでしょ?」と問われると、ストレートには否定できません。
特にスタートアップ等の若い会社さんからすると、確実に後回しにされる部門ですし、究極的にはIPOをするために垂直立ち上げの必要があって、管理部門作りましたみたいな話もよく散見されます。

これが大きい会社の経営者さん等は「フロントとバックオフィスは経営の両輪で・・・」と言われたり、「アクセルとブレーキ」みたいな喩えをされたりする事が多くなります。
※私自身は管理部門がブレーキ等と特段思った事はなく、敢えて言うならエンジンオイルみたいなものかなと思っています。普段は気にしないけど、長く安心して車に乗るためには必要なものみたいな。

管理部門を表現する時に事務コストセンターブレーキ両輪と様々表現が変わるのですが、まるで出世魚のように変遷していきますね。
これは冒頭に表現したように、管理部門の期待役割が変化していくことに繋がっていると思っています。
正直管理部門以外の部門でこのように表現だったり、扱いが変わる部門はないでしょう。

5. 変遷していくわけ

上で出世魚のように例えが変遷していく理由として、企業の状況に応じて求められる範囲やそのものの価値が大きく変わるからという一言に尽きると思います。

営業やマーケティングなども企業の状況に応じて期待役割は変わる部分がありますが、コアとしての期待成果は収束したままです。
※営業であれば売上を獲得する、マーケティングであればリードを取るや認知を獲得するなど

管理部門も例えば、採用業務や給与計算といった業務単位でのコアはありますが、
- 取引先の増加
- 社員数の増加
- プロダクトの進化
といった変化が発生していく毎に積層的且つ時にはダイナミックに求められるコアが変化していくのです。
※これが営業における売上を獲得するという不変のコアに対して、採用業務(人を採る)や給与計算(給与を正しく払う)は見られ方としてルーティング業務化していき、「できて当然」という基本となる価値の低下を招くことになるわけです。

6. 最後に

最後は、まとめといいますか若干PRです。

冒頭の記載も含めて管理部門はその期待役割が変遷していくという事を記載しました。

一方で、管理部門人員数や期待役割を柔軟に調整していくことは困難です。

ただ私自身が様々なフェーズや規模の会社で働いたことや、その時々で管理部門の在り方を考えたり、ゼロベースで管理部門を作ったりを繰り返していますので、読んでいただいた皆さまの企業で管理部門のことでお困りのことがあれば、ご協力できるかと思います。

資金管理に困っている企業様、採用に困っている企業様、契約書チェックに困っている企業様、知的財産の扱いに困っている企業様、IPO業務に関して困っている企業様、様々な企業フェーズにおける課題に対して問題解決策を提示できます。

経理(請求発行・支払処理・経費処理・月次決算・年次決算 等)
財務(資金繰表作成・銀行借入・資本調達・補助金 等)
経企(予算設計・予実管理・KPI設計支援・DX推進支援・報酬制度 等)
IR(IR戦略相談・説明資料作成支援 等)
人事(採用支援・評価制度支援・MVV策定支援・希望退職支援 等)
総務(経営会議/取締役会/監査役会といった基幹設計/運用支援)
労務(給与計算・就業規則等の規程制改定)
知財(知財戦略支援)
法務(契約書チェック等)
情報システム(ヘルプデスク支援・基幹システム/ツール入れ替え)
セキュリティ(情報セキュリティ・サイバーセキュリティ)
内部統制(内部監査設計運用支援・J-SOX対応支援)
IPO(IPOプロジェクト推進支援)
M&A(アドバイザー・仲介・サーチ・スキーム提案・バリュエーション)
PMI(統合後における組織設計及び制度構築導入支援)

よくある月次決算や給与計算の限られた分野でのアウトソースではなく、管理部門トータルでのアウトソースを含めてご相談が可能です。
ご相談いただければ、企業/事業状況に応じた可変的な管理部門の提案を行わせていただきます。
無料相談対応いたしますので、気になる方は是非メッセージいただければと思います。

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