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#ソシャゲの話をしよう。「放置要素は誰がために」

#ソシャゲの話をしよう
どうも、死に急ぐ生命の果実です。

みなさん、ソシャゲ遊んでますか?
ゲームを遊んでないときも、ソシャゲのこととか考えてますか?
今回は「放置要素は誰がために」というお話。

ざっくり以下のような構成でお話をできればと考えております。


放置要素

さて、ソシャゲには「放置要素」というものがたびたび登場します。

放置要素というのは、言ってしまえば「ゲームをアクティブに遊んでない時間で報酬を得られるシステム」であり、通常の遊びとは別方向の遊びを提供するシステムです。

まぁわかりやすい具体例を挙げるなら「スタミナ」でしょうか。

遊ぶためにはスタミナを消費し、スタミナは一定時間で回復。
これは、「ある程度遊ぶと一定時間遊べなくなるが、課金やアイテムを使うことで引き続き遊べる」という仕組みですね。

で。
これが変化していくと、以下のようなものが現れてきます。

  • パーティを編成して遠征に出発。一定時間が経つと帰還して報酬をゲット!

  • 宝箱を獲得してもすぐには開けられず、一定時間経つとオープン。報酬ゲット!

  • 逆に、宝箱は入手後すぐに開けられるが、次に開けられるようになるまで時間が必要。

さて、この「放置要素」というものを歴史から少し掘り下げてみましょう。

歴史からみる「放置要素」

放置要素。
その歴史は古く、いわゆる怪盗ロワイヤルくらいまで遡ります。多分。
古きソシャゲは非可処分時間のリソース変換ゲーであり、「ゲームできない時間をいかにしてゲームに注いでもらうか」ということをコンセプトに作られていました。

リソース変換ゲーについてはこちらの記事で描いているのでぜひとも合わせて読んでいただきたく。

要は「仕事や学校などで遊べない時間でも、ゲームが進んで報酬がもらえたら嬉しいよね」というアプローチです。

さらに時代が進むと、ソシャゲの質自体が変化していきます。
乱暴に要約すれば「よりゲームっぽく」なっていきました。
ポチポチゲーからの脱却と言ってもよいですね。

この時代では「よりゲームらしいゲーム」が待ち望まれ、放置ゲーは一旦なりをひそめていきます。

で。
いつしか時代はカードゲームの時代に移り変わりました。
コナミからリリースされた「ドラゴンコレクション」など、覚えている人もいるかもしれませんね。

いわゆる「カード」「ガチャ」のシステムの黎明期です。

この時代では「ソシャゲはブルーオーシャン」という認識が生まれ、業界にたくさんの企業が参入してきます。
こうなると生まれるのは「競争」です。

いかにしてユーザーの可処分時間・非可処分時間を奪うかという競争が生まれました。
あまたあるタイトルの中で、なんとかして自社タイトルを選んでもらう必要が出てくるわけです。

競争の中でたくさんの施策が試されましたが、そんな中のひとつが「ランチタイムガチャ」です。
要は、「お昼休みにアクセスすると、無料でガチャが引けるよ!だからアクセスしてね!」という施策ですね。
ユーザーの生活サイクルにソシャゲを忍び込ませるアイディアは秀逸で、こぞって皆が真似をしました。

これが今も形を変えつつ残る「無料ガチャ」です。

「無料ガチャがあれば、定期的にログインしてもらえる」

そんな方法論が確立してきました。

※もっとも、インフレが進んだ今、無料ガチャがその目的で機能しているタイトルはあまりありませんが……まぁ、それが自然の摂理なのだから仕方がないですね。

ここでいったん要素をまとめましょう。
「ソシャゲはゲームをできない時間でゲームをする遊びだった」
そして「ライフサイクルに取り込まれ、習慣的に遊んでもらうことが重要である」
この二点を押さえておいてください。テストに出ます。

そして現在……

しかし今の時代はどうでしょうか。
ハードの進化に伴い、アクションやオープンワールド、音ゲーなど「しっかり遊んでこそ楽しいゲーム」が増えているのはご存じの通りです。
もはや「ゲームできない時間でゲームをする遊び」は成立しなくなりました。

その一方で、タイトル間でのユーザーの取り合いは白熱しています。

アクティブユーザーが増えなければ売り上げは落ちます。
いかにしてユーザーをつなぎとめるかが、運営上で大きな課題になっている。
しかし、ランチタイムガチャのような無料ガチャはどこもがやっていて、もはや突出した効果はありません。

ここで本稿の主題を思い出してください。

「放置要素」です。

ユーザーの可処分時間をしっかりと使いながらも、なおかつ非可処分時間を費やしてほしい。
そして生活サイクルに自社のタイトルを組み込んでほしい。

そんな夢のような話を解決する可能性が、放置要素にはある。かもしれません。

放置要素の分析

放置要素の主だった目的は、ユーザーに報酬を与えることではありません。

放置の開始や結果確認のため「ユーザーに定期的にログインしてもらう」ことこそが真の目的です。

定期的にログインする必要があり、それが攻略に貢献するならば、ユーザーはログインします。
当然と言えば当然。なぜならそこには実利がありますので。

ユーザーは隙間時間にログインすれば報酬がもらえる。

運営はユーザーに定期的にログインしてもらう。

Win-Winの関係である。

故に、放置要素は多くのタイトルで様々な形をとって採用されています。
先述したように、特定時間に引ける無料ガチャ・時間が経つと開く宝箱・冒険への遠征……などなど。

なので、運営はこのサイクルがうまく定着することを考えて放置要素の見せ方や仕様を考えなければなりません。

その最たる例が時間でしょう。

YODAN

少し余談にはなりますが。
少し前、とあるタイトルで「放置時間が18時間は長いのか短いのか論争」が起こりました。

これに関して、僕は「まぁありなんじゃないか?」というスタンスです。

まず、ユーザー側に不利益らしい不利益は発生しない。
強いていうなら、かけた時間に対して報酬が見合っているのか、各ユーザーの主観的な気持ちは変わってきますが。

運営的な目的は先にもあげたとおり、「定期的にログインする動機になる」ことです。

この視点で言えば、一日に何回ログインしてもらう想定かで話が変わってきます。
一日一回でよければ24時間だし、一日二回なら12時間。三回なら8時間。非常にシンプルな話です。

ただし、ここで「報酬はいいけど72時間かかります!」だと生活習慣には定着しないだろうし、「うちは1時間で探索から帰ってきます!」だと短すぎてユーザーが煩わしいと感じてしまうでしょう。
そういう観点では、16時間というのはちょうどよくもありながら、微妙に半端な設定だと思います。

まとめ

結論をまとめましょう。

放置要素は「ユーザーの非可処分時間を利用して」「ユーザーのログインを習慣化し」「ユーザーと運営両者が実利を得る」ことが目的のシステムです。

まあ、仕組み的にはユーザーに高度な戦略性やデメリットは求めてはいけないので、僕らは気軽に遊べばいいと思います。

放置要素で妙に戦略めいたゲーム性(笑)などの複雑なことを運営がやりはじめたら、多分あまり放置要素の目的を考えていないんじゃないでしょうか。心配ですね。

本日僕から言いたいことは以上です。

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