読書感想29冊目:犬飼いちゃんと猫飼い先生 ごしゅじんたちは両片思い/竹岡葉月著(富士見L文庫)
注:感想を書き連ねる間に重要なネタバレをしている可能性があります。ネタバレNGな方は読み進めることをおすすめしません。苦情については一切受け付けません。また、感想については個人的なものになります。ご理解ご了承の上、読んでいただくことをお願いいたします。
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わんこ飼いのJKと、にゃんこ飼いの高校教師のほのぼのラブストーリー、という感じのお話。
誰かの視点、というスタイルで1冊につきいつつの章でお話は進みます。
初めは帯にもあるとおり、名前も知らない二人が動物病院で、自分たちのペットの診察を待つ時間にお話しするところから。
名前を知ってからは二人が動物病院外で出会いながら、わんこが苦手な猫飼い先生がわんこを少しだけ克服し、その後は猫飼い先生のおうちで猫神様(猫飼い先生のおうちのにゃんこ)にお会いし。
夏休みに入り、わんこの脱走、NNNによる新たな出会いなど。
そんな話の展開をスムーズに、それでいてどのキャラクターにも感情移入しながら読み進められてしまうのは竹岡先生の作品ならではですね。
※当note内、「おいしいベランダシリーズ(アラカルト・ポートレート)」(感想は番外編のみ)参照
主人公は、わんこたち、でしょうか。でもそれぞれの視点で語られるので、みんな、なのかもしれませんね。
個人的にはわんこと暮らした経験上、わんこ推しになりがちですが、どのキャラもとても個性があふれてます。
犬飼いちゃんこと三隅藍(みすみ・あい)ちゃんは生真面目すぎるほどの優等生。丁寧で素直、朗らかでちょっとだけ内向的な面もあり……?なかわいいこです。まじめな思考回路ながらぐるぐるしたり好きな人に会うときの洋服選びに四苦八苦する様なんて、かわいい乙女です。
その藍ちゃんの飼い犬が、ミニチュア・ダックスフンドのフンフン。焦げ茶色とキャメルの二色の毛皮の、ちょっとおばかでかわいい子です。藍ちゃんのことが大好きで、藍ちゃんが気になっている人がちょっとだけ気に食わなくて、口うるさい猫にゃんこに説教を受ける日々だったり。
猫飼い先生こと鴨井心晴(かもい・こはる)さんはお茶目な高校教師。高校の生徒たちはチンパンジーの集団に見える(ところもあれば、平穏な教師生活のためにそう見ている面もある)のですが、動物病院で出会った犬飼いの女子高生は気になるようで……
心晴先生の飼い猫、白くて長毛、とっても長生きで物知りなのはキャロル。気位が高くて言動は上からですが、心晴さんのことをとっても大好き。そしてやはり、大人のオンナ(?)らしく余裕のある態度で藍ちゃんやフンフンもあしらいます。
さらに、見た目は大人、でもまだまだ中学生、な汰久くんとその飼い犬のバーニーズマウンテンドッグのカイザー(ただし性別は雌)もとってもいい味出してます。
大好きな犬種が出てくるので嬉しくて仕方ないお話です。
短足胴長、猟犬なのにびびり、なミニチュアダックスフンドと大きくてもふもふ、でも穏やかでおりこうさんなバーニーズマウンテンドッグ。
どっちも読みながらにやにやにやにやしてしまいました。
人間たちのやりとりも、年齢差はあれど丁寧にご縁をつないでいる描写がほっこりとさせてくれると同時に、わんことにゃんこへの接し方が優しくて、また心が癒されます。
わんこが苦手な方にはアドバイスもついてます!(作中に描写あり)
でもまぁ、最近のわんこたちはどの子もなんというか、「愛されてるよ!」と堂々としていてかわいいですね。
あと、犬好きかどうか、割とよくわかるんだと思う。余裕ありまくり。
道行く犬についデレデレしてしまう私がいうので、たぶんあってる。
(そんな記事も以前書いていたのでここでちょこっと宣伝してみます。)
そんなわけで、心のほっこり、ときめき、もふもふ、かわいい!を味わうのにこの一冊はおすすめです。
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ここまでお読みいただきありがとうございました!