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読書感想30冊目:犬飼いちゃんと猫飼い先生2 お友達から卒業しますか?/竹岡葉月著(富士見L文庫)

 注:感想を書き連ねる間に重要なネタバレをしている可能性があります。ネタバレNGな方は読み進めることをおすすめしません。苦情については一切受け付けません。また、感想については個人的なものになります。ご理解ご了承の上、読んでいただくことをお願いいたします。

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恋のライバル現る…!?

帯より

 わんこ飼いのJKと、にゃんこ飼いの高校教師のほのぼのラブストーリー、第二弾。
 感想を述べるうち、第一弾のネタバレも含みますのでご承知の上、読み進めることをおすすめいたします。

 さて。今回のお話は、主人公の二人と汰久くんたちとパートナーわんこにゃんこに加え、新しいお友達が登場です。
 前回の終盤、悲しい出来事のあった心晴さんですが、今回の始まりにて新にゃんこさんのお披露目から物語は進みます。
 新にゃんこさん、お名前はプンプリプイッコ。フィンランド語で『綿棒』とのこと。
 可愛いにゃんこの名前がプンプリプイッコ……しかも略することすら許されない。
 名付けって、難しいですよね……どんな名前にも愛情が込められているのはわかるのですが、名付けにぐるぐるしすぎて結果迷走した名前になるという、そんな時も。
 ちなみに余談として、我が家のわんこは家に来るまでスイーツの名前が仮名で、家に来るまでなぜかよくわからない名前でやはり迷走し(笑)、毛並みからという見た目の名付けにおさまったりしました。
 別の場合はちょっと変わった外国語からとっていたり、魚の名前からとってたりとかも聞きますね。
 (個人的には「今〇のわんこ」のわんこの名前を聞くのもけっこう日々の楽しみだったりします)
 話は戻りまして。鴨井さんちの新顔さん、プンプリプイッコちゃんの活躍が一つ目のお話となるわけで。お披露目の後はなぜか心晴さんの職場で保育されるプンプリプイッコちゃん。
 みんなに愛されるにゃんこちゃんが巻き起こす小さな騒動は、やっぱりね~と安堵の決着。みなさま、好奇心旺盛な赤ちゃんは、どんな種族でも要注意です。
 それに加えていつもの〇〇視点の語り、プンプリプイッコちゃんが初登場。
 ……と言っても、この回だとずーーーっと喃語で、めちゃめちゃ可愛いです。もだえてました(何言ってるんだろうね、かわいいねと話しかけたいくらい!)

 ふたつめのお話は人も動物も新顔さん。
 保護犬的なジローさん、林さんちの真菜ちゃんを初め、家族みんなに大事にされつつも、うまく行かないそれぞれの事情と心情。
 それを聞く機会があった藍ちゃんもまた、悩むわけです。
 このお話では、ペットのお迎えの仕方にちょっと悩まされるかも。
 ペットショップでのお迎えか、保護からの受け入れか。そもそもペットという存在は人間にとって、自己満足なのか。
 そのあたりは、お話の中の「オオカミ」と「イエイヌ」の説明なども少し感慨深いかもしれませんね。
 道ばたで出会うわんこさんは「愛されてるぜ!」のドヤ顔を見かけてばかり(いつもこの話する)なので、現在は家の中、人とのよきパートナーになっているのかもしれませんね。

 後半。
 とうとう灰色の受験生の本番。結果は読んでのお楽しみ、ですが学生時代を思い出すと心臓やら胃やらがぎゅぎゅっと締まる心地がしますね。
 そしてここで気をつけなければならないのは、この一冊に出てくるのは人とわんことにゃんこが中心。
 大好きな家族のストレスを、人間の言葉は話せないけれど人間のことが大好きなパートナーはひたすらに同じように感じてくれています。
 そういった彼らの愛情を、いろんな形で知りながら自分の気持ちにきちんと向き合う人間たちの感情の動きにも注目です。
 終盤ではほんの少しキャロル味を帯びたプンプリプイッコことプー子ちゃんの語りが可愛くてきゅんっ、としました。

 ネタバレを押さえつつ、と考えながらもついつい話題はわんこにゃんこ可愛いねぇ!になってしまうのはご愛敬。
 人の日々の営みの中で隣に寄り添って一緒に生きてくれている動物たちとのふれあいのお話は、優しく読み手にもその「一緒にいられることの楽しみ」を味わわせてくれているようです。
 副タイトルの回収は後半に出てくるので、第一巻からの引き続きでもだもだしながらお楽しみいただければ、と最後に。

公式紹介ページはこちら

コミック版はこちら*第一巻のお話

 ここまでお読みいただきありがとうございました!


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