📰メディアリテラシーに必要なのは｢真実｣ではなく｢3実｣

一昨日にＸで急遽、鈴木エイトさんの講演会が神戸で行われることを知りまして、昨日当日参加で行ってまいりました。
場所は鈴蘭台と言うところなのですが、神戸市と言っても六甲山の裏手で三ノ宮とは気候が違い、非常に寒いです。
「神戸市北区」と言うよりは「三田市南区」と言った方がしっくりくるくらいには、隣市の三田と気候が似ています。

参加者は３００人くらいいたそうですが、４０歳の私が恐らく最年少なんじゃないかってくらい若い人はいないですね・・・。

基本は統一教会関連が中心のネタでしたが、最後の方は少し兵庫県知事選挙にも触れられ、講演会を通して改めてメディアリテラシーと言うものを再考しておりました。

🌱｢真実｣なんて追い求めない方が良い

講演会の最後の方で「真実を伝えてくれた鈴木エイトさんに拍手を」と言った司会者に「真実なんて言葉使ったら胡散臭くなります」と釘を刺していたんですけども、私はこの発言に多いに賛同しています。

実際、私はあまり「真実」って言葉は使わないんですよ。
それこそ鈴木エイトさんの言うように「真実」と言う言葉を使った瞬間から発言は嘘臭くなります。

こう言っちゃなんですが、ネット政治界隈は安易に真実を求めすぎですね。
私からして言えば、私ら社畜風情に分かる真実なんて大抵は碌なものじゃないか、そもそも大した情報じゃないかのどちらかです。
だから安易に真実なんて求めるのは禁物ですね。

🚃真実を知りたきゃ足を使って取材するしかない

ネットの情報は玉石混交なんて言われていますが、私は少なくとも「政治に関するネット情報の7割はゴミ」やと思てます。
その内訳は生ゴミ2割、腐ったゴミが6割、粗大ゴミが2割ってとこです。
政治におけるネット情報の7割はゴミなのです。

それでも看過できないレベルで「これホンマかいな」と思った発言に関して言えば、やはり現場に行って確認しますね。
真実なんてものは三現主義の視点に立って直接取材しなければ手に入らないと言うのが私の持論なんで。

鈴木エイトさんが統一教会のことを色々知っているのは、それだけ粘り強い取材や被害者救済活動をやってきたからです。
それこそ統一教会から指名手配を受けてたそうで、自分の写真映りが悪かったことに抗議して、写真の差し替えを要求したなんて言う面白話もありました。

結局、最後は足です。
でも足を使って取材をしたって簡単には辿り着けないのが真実というものです。
だから安易に真実なんてものは求めてはいけないというのが私の持論になっているわけです。
実際、安易に真実を求める人ほどメディアに騙されます。
それこそマスメディアにもネットにもね。

📰政治情報を見る上で必要なのは｢3実｣

前の会社の先輩で「営業の成績を上げるために考えるべき３率」と言うものを朝礼のスピーチで話されてた時があって、それが「効率・確率・リピート率」という｢3率｣です。
それに倣って私も｢3実｣と言う言葉を使わせてもらいました。

ではメディアに騙されないようにするために必要な3実とは何でしょうか。
それは「事実・虚実・現実」です。

まず「事実」についてですが、マスメディアの報道していることに関しては８割方「事実」です。
但し、気を付けなければいけないのは「事実＝真実」ではないということ。仕事でトラブルが起きたとして、トラブルが起きたと言うこと自体はただの事実ですよね。
その上でトラブルが起きた原因の部分が真実です。
産業分野の事故で原因が究明されるのは比較的早く終わることが多いです。
それでも品質不正なんかが３０年隠蔽されるくらいですから、政治分野の真実なんて、ある事実が起きてから真実が明るみに出るまで１０年、２０年なんてことはザラなわけです。
少なくともマスメディアの役割としては「事実」だけ提示してくれれば充分やと思てます。

しかし、やはりマスメディアが嘘を付くことはあります。
特に戦争が絡む報道はそれが顕著に出ましたね。
露宇戦争の時など西側視点の報道しか出なかったのですが、どこも「ウクライナ優勢！」みたいな感じで報道してました。
これは報道されている「事実」の上に「願望」が上乗せされて「虚実」になってしまうのです。
気が付いてみると「ロシアが大きく経済成長している」と言う報道まで出るようになりました。
マスコミでこの調子なんですから、ネットメディアなんてもっと酷いと見る方が妥当です。
ネットの流言なんて「そもそもそんな事実は無かった」と言うことも多くあり、ハナから「虚実」なんてことは。よくあるわけです。

そして「現実」です。
マスメディアからも個々人のネットユーザーからも、色んな流言が飛び交いますから、最後は「現実的な視点で判断する」と言うことになります。
現実的な判断をするために大事なツールが統計と歴史です。
ＩＴの世界にいれば「データドリブン」なんて言葉は知っていると思いますが、データドリブンとは統計情報を用いて意思決定を行うことです。
統計（データ）は経験や体験を客観的な数値として記録化したものです。
例えば斎藤知事パワハラ疑惑に関しては、職員のアンケート結果を見て「これはあり得るな」と言う判断をしています。

一方、コロナワクチンを射たない判断は、過去の薬害史から決めました。
過去の歴史から鑑みるに「未知のワクチンを注射することで自分がアタリを引かない自信がない」と言うことで、未接種を決めました。
もちろん、ワクチンに関しては接種か未接種か、どちらが正解ってわけではないです。
あくまで統計と歴史を用いて「現実的に」判断したと言うことです。

白黒思考に陥らないことが大事ですね。
結局、白黒思考の人って騙しやすいんですよ。
ある程度の曖昧さは受け入れる度量も必要です。
結局「真実だ」と思ってるものの中にも「自分の願望」が入り込むので「こんな筈だ！」とか「こんな筈ではない！」が混ざるのです。

大事なことは｢真実｣ではありません。
｢事実｣がわかっているか。
願望が混じって｢虚実｣になっていないか。
それは｢現実｣的にあり得ることなのか。
その３実でもって「判断する」方が、大きな失敗は無くて良いんじゃないかと思いますね。