優しくない人
そうなんだ
優しくなかった
優しいけど、優しくなかったのだ
わたしにとって優しくなかった彼は、誰かにとっては優しくて面白い人だった
いや、優しい彼が優しくなくなったのかもしれないし
ほんとうは優しくないのに、優しいふりをしていたのかもしれない
なぜ、こんな雑な扱い方をしてくるのだろう
なぜ、言わなくてもいい言葉を、なんでもないようにポーンと投げてくるのだろう
わたしだから大丈夫だとでも思っていたのだろうか
ことばの棘が何度も突き刺さった
突き放し方がへたくそにもほどがある
人格否定された気分になった
とどめに突き刺さった棘は、なかなか抜けなかった。
楽しい時間もあったんだけどなあ
愛して
大切に想って大事に寄り添ったら
その好意は当たり前だとでも感じていたのだろうか
思ってなくても ありがとう をいってほしかったなあ
なめられたもんだ
わたしはなんだったのだろうか
寄り添っても寄り添っても否定されてる気分だった
ずっと一緒にいても、透明人間になってる気分だった
何を聞いても、忘れた 死にたい という
わたしにはあちこちの記憶があるのだ
日常に、一緒に過ごした跡がある
自分ばかりずるいな、わたしも忘れさせてくれ、
そんな気分にもなるよ
そしたら、また
カタチのない寂しさを埋めてくれる
新しい人のところへ行くんだろう
こんな言葉、おこがましくて普段だったら言わないけど。
わたしのセリフなのだ
「なにかになれたのなら幸いです」
先日、母となんでもないやり取りの途中
もー!優しくない!
と、言われた
そうか、わたしも優しくない人のかもしれない。
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