人材業界にありがちなKPI、訪問数/架電数から離れるためにやったこと
こんにちは。きたかわです。
昨日からこのツイートが微妙に伸びていてびっくりしています。。
伸びた要因として、
・実情が分かった
・上司との関係性がかいま見えた
からなのかなと思っています。
なので今日はそのあとどうやって架電数/訪問数のKPIから離れたのかについてお話したいと思います。
episode 0:バックグラウンド、なぜ営業になったのか
私のバックグラウンドを少しだけお話ししますと、大手人材会社に新卒で入社しました。「新卒はとらない」という特殊な産業特化の部署になぜか一人だけ営業として配属されました。そして、そこで大手人材業界の洗礼(?)を受けることになります。
*ちなみに大学時代はWeb系のベンチャー4社でバリバリインターンをしていてほとんどフルタイムで働いていた時期もありました。なぜ大手企業に入社することになったのかはまた別途で...
かくかくしかじか、某社に入社したのですが、1番“ベンチャーっぽい”部署に配属されながら実情はそうではありませんでした。そこで私がやらなければならなかったのは、「ひらすら架電」そして「ひらすら訪問」、念のため断っておきますが「質より量」という営業活動でした。
episode:0.1 闇の3ヶ月
営業に配属されて3ヶ月は、それはそれはひどいものでした。
初月から、というか初日くらいからこれからこういうことすることになるだろうからとりあえず電話してみてねーと言われ(架電リストや顧客名簿なしに、そもそもその部署で何をやっているのかインプットなしに)、そこから私の疑念と自分との闘いの日々が始まりました。
特殊な産業を対象にしていた故、また、本社から出張なしに営業に行ける範囲で一旦営業藩士が絞られていたので、まず示された架電KPIが(本当に架電すべき企業だけをターゲットにすれば)Webで拾える企業の数を軽く2〜3倍程度は上回っていそうだなということが分かりました。
そしてその後、同じことをやらされていた違う部署の営業の同期と「トランザクションはどれくらいだ?」という話をすると、テレマの着電率(電話をとってもらえる確率)は一桁前半台%という。
それでも課される架電、訪問数のKPI。weeklyの1on1での詰め。本当に辛すぎて、同期には顔が死んでたと言われていました。
本題:どうやって抜け出したか
そして3ヶ月、上司はともかく日々電話しなければならないお客様に向けてはせめてどうにかしないければならないと思って考え抜いて、行動に移します。
マーケティングをちゃんとしてみた
結局、次のことを行動に移しました。
1. 単価2パターンでお客さんを絞った
2. いかようなお客様に電話しても売れる商材を準備しておいた
1. 単価2パターンでお客さんを絞った
闇の3ヶ月で、架電する回数や訪問数のカウント方法はある程度ザルだということに気がつきました。(多分私が「できない」「やらない」人だったから諦めていたのだと思います)
つまり、新規の会社に架電しようが、過去に何回かお電話していて関係構築しているお客様に架電しようが、どちらでも同じ「1回」とカウントされていたということです(訪問も然りで)。
なので、お客さんを2つにセグメンテーションしました。
・単価高めでもしっかり提案すれば発注してくれそうなお客様
:こちらが実は自社で売りたいサービス単価とお客様の層(拡張性という観点から)
・単価低めであれば検討してくださりそうなお客様
:こちらは自社では売らなくてもいいものの、ニーズがあればグループ全体としては利益になりそうなお客様
前提として大事なのは、「ニーズがありそうなお客さまのみに絞った」ということです。以前は産業関係なく、つまりはどうやっても商品ニーズがなさそうなお客様にも自分のKPIのために架電をしていたわけです。時間の無駄、どころか会社の評判を落とすことにもなるので早くやめたかったので、しなくていいところには架電をしなくていいようにセグメントを作りました。そして一方で架電数を稼ぐためにニーズが掘り起こせそうなお客様にだけ、架電・訪問を定期的に行いました。
KPIをどうやって達成したかの答えは、延べにした、というのが答えになります。
(結局KPIを達成した月はなかったと思うのですけれど。)
で、セグメンテーションを2つにしたのには理由があります。自分が持っていたメインの商材が高い単価だったため、断られる理由は「単価」でした。そのため、断られても違う提案をできるように低単価のサービスも用意しました。そうするとそこにニーズは意外とあったりするので、訪問につながります。これでKPIの訪問数をある程度稼ぐことができました(稼ぐって本当は言いたくないのですけれど)。
さらにKPI達成をするために、次のことをやり始めました。
2. いかようなお客様に電話しても売れる商材を準備しておいた
私が前職で強みに思っていたことは何かというと、大体なんの要望でも最初からできないですとは言わなくていいほど、全産業・全職種をカバーしていたというところです。
一般派遣もあれば特派もあり、人材紹介もあり、エンジニア集団もいたので自社開発の製品もあれば、代理店でもあり、、、本当になんでもできるなと思っていました。
それはお客様にとって良いことだなーと思ったので、とにかくお電話したお客様にはなんらか提案ができるように、グループほとんど全部の商材を売れるように商材を覚えておきました。
単価で断られれば低い単価のほうに。クオリティが求められれればそのように。プロダクトを求められればそのように。とにかく打ち返せるようにしておきました。
かつ、これでよかったのはグループ会社に紹介をすると評価される制度があったので、数をこなした結果自社に結びつくのが一番だければとも、グループ全体の利益になっているので評価はされて、文句は言えないはずなのですよね。自部署の上司は分かりませんが、少なくとも、会社からは排除できない営業マンだったはずです。
まとめ
私がやったことをまとめると、次の通りです。
・問題が問題でなくなるようにした
・とはいえKPIは一応クリアできるようにした
お客さまに迷惑をかえてしまったり、「無駄」な架電はしたくなかったけれど、でも、それでも私は自部署で売っているサービスがけっこう好きでした。多分だから上記の行動をとろうと思えたのだと思います。私はBPO、BPRというものを売っていたのですが、これをできるのは絶対にビジネスマンとして必要な能力だと思っていました。し、実際に業務構築とか業務改善はとても面白かったです。
だから自信を持って切り口を変えてお客様に提案できる、あるいはもっと気持ち良く提案を聞いてもらえるように架電しか切り口がなかったけれど工夫をしてみて、必要がないとお客様が言うなら課題を解決する何かがないか提案してみて、ということをしました。
ちなみに
といういうことを言っておいて成果はどうだったかというと、架電数・訪問数というKPIでは達成できた月はなかった気がします・・・。1回くらいはあった気がします。
冷静に考えて東京近郊のある特殊な業界は300社くらいしかないので、そのうち10%にリーチできても30社、です。毎月15〜20件くらい訪問できていたはず・・・なのでよくできた子だと思いたい。。。。
営業なので、KGIの成約数はというと、1年で2件のお客様にご成約をいただきました。いずれも新規のお客様で新しいアカウントを開けたということはとても意義あることだと思っています。プロジェクトも続いているはずなので、中長期的な観点からも貢献度合いは低くないはず。
と思うことにしています。
おまけ。
サービスは好きだった組織から離れることになるのはこの3〜5ヶ月後くらいのことです。退職エントリについてはまた別のきかいに!