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暮らしと自然の距離を計りたくて、近所の沼地に通ってみたら。

 生活圏から「自然」を感じる場所まで、バスで20分。これが私の暮らしと自然の距離。
 自然は好きだけど、都会暮らしはやめられない。だからふと生き物にあいたくなったときは、カメラを抱えて近所の沼地に向かいます。カウントしてみると今年だけで14回訪問。推しの沼地。来るたびに、自分の暮らしに沼地の生き物たちが根ざしていきます。

トンボ池ダイジェスト

 まずは2024年1月から8月まで、麻機あさはた遊水池の同じ池で撮影した写真があるので、一気に振り返ります。

暖かい冬からいつの間にか春へ

 すっかり酷暑で忘れがちですが、今年は冬もすっごく暖かかったことを覚えていますか?1月から20℃に迫る日が何度もあり、例年より早く春が訪れていたように思います。2月にはミツバチやチョウが飛び交い、3月に冬鳥たちは北へと帰りました。

3月から4月にかけて一気に緑が増えたのですが、同じ地点での写真を撮っておらず(悔しい)
2月、例年より早く(多分)菜の花畑が出現。もちろんミツバチも働く。

あっという間に初夏

 4月~5月の雨量と暖かさでトンボ池は一気に緑色の世界。4月中は花が多くてハチやチョウを撮りやすかったのだけど、5月二週目以降はすっかり初夏の装いで、トンボだらけに。

余り変わらないようにも見えるけど、草の存在感がどんどん増してる
5月上旬は花盛り

夏、前代未聞の酷暑

 6月下旬にはもう30℃を超える日々になりました。しかも梅雨入りしない!暑さに身体が慣れず足が遠のいていたのですが、6月末にチョウトンボを見かけたのでモチベーションを持ち直し、40℃近い酷暑の7月でしたが毎週通いました。トンボ池最盛期。

草丈が明らかに高くなりました

 そして8月、最新のトンボ池の姿はこちら。生きとし生けるものの勢いを感じますね。このとき朝の8時でしたがもう34℃、日陰にいてもくらくらする暑さで、チョウトンボの姿もめっきり減っていました。そうか、もうピークは過ぎたのか。

dp3 QuattroのSFDモードで撮影
このあと人間より先にカメラがオーバーヒートして撤退。

夏の生き物

 ほぼ40℃という酷暑でも、この美しいチョウトンボを見たくて通っていました。

地域によっては準絶滅危惧種ですが、静岡ではまだ見られる場所がいくつかあります。
大きくないけれど光を受けてキラメキながら飛びます。
こんなに美しい生き物が身近にいる事実に感謝しかありません

 チョウトンボ以外のトンボもわんさかいる。ぶつかりそうなぐらい。それ以外の生き物もひしめき合っていて、ジッと息をひそめていると、ごそごそ聞こえてくる生き物の密度にたじろぐ。

シオカラトンボ by sd Quattro
コガネムシ 名前の通り美しい
7月、蜜にたくさんの虫たちが。上からコムラサキ、ノコギリクワガタ、カナブン
撮影はsd Quattro
コムラサキは翅をひらくと隠されていた鮮やかな紫がみえる
アオサギの幼鳥かな?とダイサギが連れ立って朝ごはんタイム

そもそも「自然」とは

 なにを「自然」と捉えるかは人によってかなり幅があるように思います。この沼地も、生き物がたくさんいて自然を体感できる場所ですが、河川に流入する雨量を調整するための「遊水地」として整備されている場所なので、人によって管理されています。手つかずの自然ではありません。

周囲は住宅街。160haあるらしい
出典:「生命にぎわう わ (環・和・輪)の湿地 麻機遊水地

 工事もあれば、草刈りも結構頻繁ですし、人もたくさん遊びに来ます。どうしても外来種が優先しているところもあります。

6月、草刈り後に突如現れた一面のハルシャギク畑。
かわいい花ではあるんだけど北米原産の外来種。
2月、ホテイアオイかな?池を埋め尽くして芝生のように。
ホテイアオイは薄紫の花が咲く南米由来の特定外来生物。繁茂しすぎて池を窒息させてしまうのですが、強すぎて根絶が大変..
7月、タイワンタケクマバチ(外来種)をよく見かけました。
在来のクマバチたちと競合してしまいます。
7月、アカボシゴマダラも蜜を吸っていました。
先日会ったチョウ愛好家の方いわく「最近増えてて心配」

 生き物をあまり知らなければ、どれも「綺麗な自然」かもしれない。でもこの沼地に通い、生き物の名前を知るにつれ、どれもこれも外来種が目立つなぁ…とちょっとさみしい気持ちも。人が連れてきて生態系に大きな影響を与えている外来種たちは、人がなるべく影響を抑え込まないといけない。
 暮らしに近いからこそ、外来種が目立つのですが、一方で関わりやすい場所でもあるのかも。

「緑地」を考える

 いつもは人目を避けるように草むらでカメラを構えているのですが、これだけ私の心の安寧を保ってくれている沼地(を含む麻機遊水地)に対して、少しでもなにかできたらなぁ、と思っていたところ、たまたまあさはた緑地について考えるワークショップにお声がけいただきました。

あさはた緑地公園内にある会議室で開催された「こもれびコモンズカフェinあさはた緑地」

 美味しいレモングラスティーをいただきながら、畳の上で緑地とコミュニティについてあーだこーだとしゃべる時間。会場となったあさはた緑地は私の通う沼地に隣接する公園です。週末は家族連れが公園で遊んでいたり、たまに屋台がでたり、シェア畑があったり、市民の保全活動が行われていたり、環境教育の舞台として大活躍している公園。今年は「ビオトープ大賞」を受賞したらしい!すごい。

 私にとって沼地がそうであるように、この緑地公園は、多くの人たちにとって自分達の暮らしと自然の距離を見つめなおすとてもいい場所なのです。

 これまで人目を避けるように沼地で一人でごそごそ写真を撮ってきましたが、今後は可能な範囲で保全活動や清掃活動に参加して、(ごくごく小さな力ですが)自分の手で推しの沼地を育てていけたらなぁ。これからも、チョウトンボがこの場所で「普通」にみられるように。



 今週末(8/11)、先日参加した「こもれびコモンズカフェinあさはた緑地」が再び開催されるそうです。私も参加予定。麻機遊水池のことが気になった方は、一緒に参加してみませんか・・?

みどり豊かな公園のスペースに集まって、まち、公園、みどりなどをキーワードにゆったりとおしゃべりしてみませんか?
日時:8月11日(日) 9:00〜11:00 
場所:あさはた緑地水辺のこもれびエリアorセンターハウス会議室
定員:10名(先着順)
対象:どなたでも
料金:無料 おやつ・飲み物あり(マイカップ持参推奨)
※雨天決行・荒天中止
申込:以下のフォームに入力ください
https://forms.gle/Yurv7AqCYmgTDknx8

主催:静岡市緑地政策課・市民自治推進課 
運営:一般社団法人グリーンパークあさはた

8/14追記

こもれびコモンズカフェ、参加してきました。とっても楽しかった~。

この日も快晴、朝8時ですでに30℃を軽く超えていましたが、会場は冷房のきいた室内!快適!
写真に写ってないですが、私は畳に座ってます。子連れの方も二組いたり。この後3グループに分かれて、公園でやりたいこと・チャレンジしたいことをみんなでわいわい。
第二部は木漏れ日エリアへ。ここ、小川沿いなのもあってなんと涼しい。最高。
ハグロトンボがたくさん乱舞していました。


去年(2023年)のことを振り返ったnoteもかいています。生き物の写真、たくさんです。


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