いい写真が何かわからなかった編集者が写真を読めるようになるまで
駆け出しの編集者の頃、雑誌の担当になった。作庭家がつくったガーデンデザインを紹介する本で、写真は紙面のなかで重要だった。カメラを触ったこともなかった新人編集者の私が何より苦労したのが写真選びとラフレイアウト。人物のポートレートなら笑顔などわかりやすい指標があるけれど、風景や心象風景を撮った写真のどこをみて選べばいいのかわからなかったのだ。当時はフィルムだったが、ポジ袋がくしゃくしゃになるほど何度も覗き込んだ。カメラマンも先輩も「いい写真」が何か、言語化して教えてはくれなかった