監督、選手ともに侍が勝った日韓戦
コールドゲームとはならなかったが、侍ジャパンが9つもの得点差をつけて韓国代表に勝利した。今回は、そんな気持ちのいい1戦を振り返ろうではないか。
エドマンとヌートバー
この2人はセントルイス・カージナルスの同僚としてシーズンを過ごしているが、今回の日韓戦ではともに1番打者を担った。しかしながら、この2人の活躍は対照的なものとなったのだ。ヌートバーは一昨日の中国戦を含めて打率5割を記録しているが、エドマンは1割前半と苦しんでいるのだ。
1番打者は「切込隊長」とも言われるが、それはまさに言い得ているのではないか。当たり前のことを言うが、チームで1番最初に打席に入るということは、チームで1番打席が回ってくるということである。従って、その選手の調子はチームの勢いに直結するのだ。韓国代表の1番打者が彼ではなく好調のイ・ジョンフであったら、守りの流れも乗ることができるために星色は逆についていたかもしれないのだ。
韓国代表の継投策に疑問
韓国代表の継投はかなりの細切れ継投となったが、この意図が全くわからなかった。エースのキム・ガンヒョンが本調子ではないとわかるとスパッと変え、ウォン・テインにスイッチした迄はよかった。ただ、その投手もたったの2回で変えてしまったのはこれいかに。ウォンも1失点を喫したとはいえ、三星ライオンズのエース格であることは誰が見ても間違いのない事だ。
その後の継投は本当に意味のわからないものであった。明らかに救援としての能がないイ・ウィリやク・チャンモらをアウトひとつひとつ程の間隔で使い込み、仕舞いには次の試合で先発するはずのパク・セヴン迄投入してしまったのだ。韓国にとって因縁の相手であることは分かるが、負けのショックを全員で共有してしまいこの継投は逆効果になってしまうのではないかと感じる。侍ジャパンにはまずない不可解な継投策だ。
肩を守る韓国投手陣
今回の細切れ継投、作戦としてはあまり好ましくないものではあったもののKBOを代表する投手たちを多く見られたという点では非常に有意義なものとなった。それと同時に、韓国で主流となっているフォームを掴むことができたのだ。
NPBの選手は踏み出す足に体重をかけ、肩肘を満遍なく使い押し出すように投げる選手が多いが、韓国投手陣に多いタイプは上体の力を強く使うMLBの投手に多いタイプであった。そして、かなり肘をしなやかに使い、肩にかかる負担を極限まで軽くしているという印象を持つ。こうした国ごとのフォームの違いを見るということも国際試合の楽しみのひとつだ。