WBC韓国代表は
3年間に渡ったスポーツ界のコロナ禍終焉を祝うようにWBCが開催される。実に令和元年以来の国際大会ということで、各国球界の情勢も変わってきていることは言うまでもないだろう。今回は、その第1弾としてお隣の韓国代表にハイライトを当てることとしよう。
強打封じ込めの鍵は
今大会の韓国代表の1番の強みは野手陣、特に打棒である。アジア人内野手の最高傑作と名高いキム・ハソンを筆頭に、長打のあるチェ・ジマンそしてヌートバーのチームメートであるエドマンとMLBでレギュラーを張っている選手たちが数人並ぶラインナップとなっている。韓国戦の鍵は、この打線をいかに封じ込めるのかにあるだろう。
昨日、大阪ドームで行われたオリックス戦を見ていると、やはりこの打線を封じ込めるには不用意な本塁打を避けることを第1の目標にすべきだ。個々の力は素晴らしいのだが、いかんせん繋がりに欠ける打線となっている。従って、対戦する投手はある程度走者を出してもボール球でかわしながらのらりくらりと要所を絞めることが求められるだろう。
基本のキで攻撃しよう
打撃陣とは対照的に、投手陣は近年不作が続いている。これは数年前まで国内リーグのKBOが投手の育成を半ば放棄していたために、若手とベテランの間の中堅陣といえる20代中盤から後半にかけての投手にネームバリューのある投手がごっそりと抜けてしまっているからだ。今回のナインを見ても、御大となったキム・ガンヒョンやヤン・ヒョンジョンが選ばれていることからも世代交代が行き詰まっていることを感じる。ただ、このベテラン陣が素晴らしいので大量得点を望めるかと考えるとそうではないだろう。
僕は韓国代表の穴は守備陣にあるのではないかと考える。前述の通りセンターラインの要と言える二遊間がキム・ハソンとエドマンで構成されているがために、ドーム球場の人工芝には不慣れなのではないかと推測できる。実際、昨日のオリックス戦を見ても、キム・ハソンは足元が滑ってしまう場面が多く見られたのだ。ここをつかない手はないだろう。「バットに当たれば何かがある」とはよく言ったもので、やはりどれだけパワーを兼ね備えていても打球にならなければ無意味なのだ。日本ナインは俗に言う「センター返し」を得意としている選手が多いので、これを徹底して二遊間を打破して欲しいものだ。
最後に
今大会の韓国代表はソフトバンクのようなチームと言えるだろう。全員がやるべきことをすることが出来たら一気に優勝候補という感じだ。