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情報量と不安心理
キャリアコンサルティング面談をしていると、昔に比べ、「うまくいっているのに不安」という人が増え続けている気がします。きちんと数字は取っていませんが、20代から40代くらいで割と顕著に聞く内容です。「何不自由ないのに不安」「何も起きていないのに不安」という漠然としたものはどこから来ているのでしょう。
極端な例で考えてみると、地震の後の心的障害リスクを調べた研究があって、1か月後から1年くらいまでのリスクが高いとのこと。これは事態がある程度落ち着いてきたときに不安がピークになるということです。サンプルが少ないので絶対とは言えませんが、確かに実感としてはそうかな、という印象ですね。
人間には防衛本能がありますから、良くないことが起きたときに、次はこんなことが起きないように、とそれを強く記憶してしまいます。結果的に悲惨な事やひどいことほど記憶されやすいことになります。遠く離れた他国の出来事でも、身近にはあり得ないようなことでも、全国の人が報道を通じて知っているような悲惨な事件がたくさんありますね。おそらく自分には99.99%関係ないような事も。
もし身近で事件・事故が起きた時は、人は全力でそれに立ち向かうでしょう。私は東日本大震災の時はいわき市におりましたが、断続的な余震が続いている間、悲しみや苦しみはもちろんあるのですが、同時に不安よりもむしろ闘志が湧いてきた覚えがあります。不安はその後で、事態が落ち着いてから、今のことではなくその先を考えたときに疲労や徒労感と共に出てくるのではないかと思います。そうした時、人は情報に惑わされやすくもなっているのでしょう。それが自分とはほとんど関係ない情報であっても・・・。
逆説的ですが、そこから得られる教訓もあると思います。つまり、人が不安を感じるときというのは、むしろ今現在は、何も起きていないとき、特に問題が無い時、比較的順調な時だという事です。
もう一つは、不安は現在ではなく将来に向かって起きていて、それはほぼ自分と関係ない情報によって誇張されているということです。
3つ目は、そうした「根拠のない不安」というものに振り回される本能があるのであれば、それを「根拠のない自信」に置き換えても良いのでは?ということです。論理的にはどちらも同レベルで根拠がないのですから、自分が楽しく元気になれる方を使えばいいと思います。
若者に「漠然とした不安」があるのはおそらく情報量が多いからでしょう。SNSやテレビといった、不正確な情報で感情を振り回されるメディアとの付き合い方を考える時期に来ていると思います。