【140字/空想】あの日も今日も
トランクに詰め込むのは白い服だけ。
手を繋いで木陰を行き
窓を開け放して果汁を飲む。
土埃も色褪せた門扉も干からびた煉瓦塀も
あの日みたいに白に焦がれるだろう。
風に膨らんだブラウスが誇らしく
頬を紅潮させたあの日みたいに。
天井のプロペラがどんなに廻っても
僕らの白の時間は決してかき乱せない。
じっとしている旅は得意ではないけど
いつかトランクに白い服だけを詰めて
スリランカのアマンガラに泊まりに行きたい。
ジェフリーバワのルヌガンガにも。
ただただ、ゆるゆる、時間を愛でる。
そんな贅沢さにはきっと白い服がよく似合う。
写真はアマンガラのHPから拝借しました。
好きすぎて何度も見直してしまう景色。