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【日本滞在日記】 陽の当たる場所で読む世界と影に潜む美

日本滞在2週間。
ぶり返した夏日を避けて電車を待つ間、
図書館で借りてきた「月のケーキ」を開く。
陽の当たるホームで一人電車を待つなんて
私の日常にはないことだからすごく新鮮。

ジェーン・エイキンの短編集。
どこか湿った風が匂いが追いかけてきて
まとわりつくような第1話。
それでも、所々に散りばめられた
きらめきにも似た魅力的な単語たち。
グリーングラスツリー・カタツムリだなんて
私も崖の下で一緒に集めたいと夢を見る。

そして向かった先は四谷シモン人形館。
戦前期モダニズムに影響を受けた美しい淡翁荘。
華麗な花柄クロスの壁にアンティークの家具。
ジャズが流れる静かな館内は
繊細で精巧で、思わずため息がこぼれてしまう
そんな人形たちにとってまさに終の棲家。

もちろん、美しいだけではなく
心えぐられるような人形も。
でもどう感じるかはきっと人それぞれ。
人形たちが持つ不思議な力は
対面する人の奥底にある何かをそっと
手繰り寄せ引き出すような気がします。
私たちの知らない世界を感覚を感情を
人形たちは知っているのかもしれません。

来週は京都と金沢へ。
新しい詩、そろそろ書けるかな。


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