【140字/空想】翼をたたむ時間
ギシギシと狭い階段。
登りつめた窓の向こう。
屋根瓦の波の上を雲が走り去る。
いい風だ、乗るなら今。
まるで迎えのように、
天からの梯子が間近に見えた。
でもまだ行かせない。
傷癒えた私の翼をあなたが抱きしめる。
振り返り私は微笑んだ。
瞬く間の人の世もきっと愛おしい。
今はただこの熱に溺れようか。
ギシギシと狭い階段。
登りつめた窓の向こう。
屋根瓦の波の上を雲が走り去る。
いい風だ、乗るなら今。
まるで迎えのように、
天からの梯子が間近に見えた。
でもまだ行かせない。
傷癒えた私の翼をあなたが抱きしめる。
振り返り私は微笑んだ。
瞬く間の人の世もきっと愛おしい。
今はただこの熱に溺れようか。