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【詩】二人の秘密(合わせ鏡+朝焼け)〜青ブラ文学部〜

私を覗き込んであなたは言った

ねえ、もう、悲しくないでしょ
僕が来たから、もう大丈夫

髪の色も目の色も
背の高さも体の厚みも
声だって全然違うのに
あなたは私で
私はあなただった

だって僕らは
一つの色から生まれたから
僕が青できみが赤でも
僕らは混じり合って
また一つの色に戻るんだよ

私はそっと彼にキスをした
ひんやりと硬いキスだった
酷薄そうな唇が嬉しそうに笑った

ほら、ここだよ
こっち、こっち、もっとこっち

鏡の中の鏡の中で
あなたが笑っていた
誰も知らない私の向こう
合わせ鏡の秘密は
そっと二人だけのもの

いつだって覗き込めばいい
ここにいるから
ずっといるから

あなたは私で
私はあなたで
あなたがずっと笑っていた

夢を解かれて
重い瞼をぼんやり開けば
朝は雲のベールに覆われて

閉じ込められたのは誰の想いだろう
磨りガラスのような空の中で色が綻ぶ

深く気高い藍色が
やがて柔らかな薔薇色に絡めとられて
重なる吐息に世界が揺れた

綺麗ね
私たちの朝焼けね

私は弧を描く冷たい唇を思い出す
色づかせたくて胸が疼いた


鏡=ファンタジー世界に欠かせないもの
色々考えたものの気づいてしまった矛盾も
これはファンタジーですから!
と開き直って楽しく書かせていただきました。
さらに、先週用意していた「朝焼け」ですが
機を逃してしまったそれも合わせて。
十二分に満足しました。
山根さん、ありがとうございました!

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