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【詩】雨上がりの回想
大地を震わせる雷鳴も
全てを押し流してしまうような雨脚も
やがて遠くなる。
置いていかれることに
誰もが悲しみを覚える。
小さな子供みたいに泣きじゃくって
おろおろ所在無げに歩き回って。
けれど受け入れることで初めて
変わっていくものがある。
許すのか許されるのか、
その繰り返しの中で
優しさを知っていくのかもしれない。
痛みに寄り添って微笑むことを
学んでいくのかもしれない。
色を取り戻しつつある空の中に
未だかすかに聞こえる音。
始まりがあって終わりがあって、
全てが絶え間なく変わりゆく。
あの日の痛みが疼かないように
私はそっとその尖を包み込み
今日一番の微笑みを浮かべる。