【自由詩】愛は犬〜シロクマ文芸部〜
愛は犬 犬派の勝利よ!
声高らかに杯を掲げる親友
全身で喜びを表し
無邪気にまとわりついて
煩いくらいが可愛いとか言われ
ああ そうね
あんたは犬派 まさに犬派
でも私が相手だったら
もっとこう 独立した感じが
なんて言おうものなら目が座る
なに あんた 猫の肩持つ気?
ちょっとしっかりしてよ
私たち犬なんだから
そう私たちは戌年だ
だけどそれがどうした
私は猫派
紛れもなく猫派
なんなら自分も猫になりたい
コホンとひとつ咳払い
あのさ 愛ってわかってる?
受け止めて受け入れて
広く大きく深いわけ
あんたのはそれはさ
愛じゃない 恋よ恋
と言ったところではたと
いや それは無理
恋だよ恋 恋は駆け引き
そんな上等手段 猫の独壇場
真っ向勝負の犬派に出番なし
ああ そうね だったら愛
徐々にじんわり ゆるゆる長く
と思って顔を上げれば
鼻息荒く杯を傾ける親友
ピッチ早いな 不安指数急上昇
持久戦には持ち込めそうにない
勝負はすでについているのか
はたまた予期せぬ混戦へと突入か
愛なのか恋なのか
犬なのか猫なのか
本当のところなにもわからない
明日の夢が精一杯の私たち
愛とか恋とか
犬とか猫とか
まだまだ先での学びが必要そうだ
とにもかくにも
自称乙女たちの
堂々巡りの時間は終わりそうにない
先週はお休み、うずうずお題を待って、
今週も小牧さんの企画に参加させていただきます。
ちょっと長めの自由詩ですが
好き放題、楽しくリズムに乗って書きました。
楽しく読んでいただけたら嬉しいです。