【詩】春の夢〜シロクマ文芸部〜
春の夢はまったりとした午後に
そのなだらかで艶かしい曲線を
そっと指先でなぞれば
甘く芳しい吐息に翻弄される
永遠の春は瞬きの合間なんだよ
本当の意味を知って初めて
僕らは常春を手に入れる
指折り数えた夜が遠くなって
集めた星屑がみんな溶けてしまったら
柔らかな光の中で
春はこの扉を開けるから
夢に夢を重ねて
指先に熱を灯して
色づく吐息に震えて
醒めない夢を心の奥に
めぐる季節の中で僕らは
いつだっていつだって
揺らめく陽だまりに抱かれ
春の喜びに酔いしれる
春のうららかさの中に漂う白昼夢。
退廃的で背徳的で、
それでいてやめられない抗えない、
そんな妄想を楽しみました。
小牧さん、今週もありがとうございました。