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【140字/空想】待ち望んだ夜

久方ぶりに海は後退し
現れ出た岩盤が満月のもとほのかに光る。
ここかしこ、目覚める青き宮廷の命たち。
待っていたよ。
世界についてのお話、途中だったもの。
輝く鱗、あなたが無邪気に微笑んだ。
ああ、ようやく。
安堵の息を吐き、再びそっと胸にかきいだく。
あの日海に落としてしまった、私の大切な月光を。

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