【詩】午後の攻防
それでどうしたいのです。
相変わらず熱のない声に眉をひそめ
私は彼にぎゅうぎゅう抱きついた。
苦しいと言ったらやめてくれますか?
平坦な声に苛立ちが募る。
世界に散らばるありとあらゆる比喩を使って
気持ちを教えてくれたらやめてあげるわ。
彼は大きなため息をついた。
言ったでしょ。
僕はあるがままを伝えるだけだと。
言葉など、時に無力なのですよ。
そう言うと彼はおもむろに私の額に口付けた。
冷たい唇が頬を滑り降り、首筋にたどり着き
吐息とともにそこに留まる。
途端、普段隠された熱が解き放たれて、
私のありとあらゆる抵抗は溶けて消えた。
嘘つき。
手練れの策略家だわ。
それでも必死に強がりを言えば、
高い鼻を首筋に押し付けたまま、
彼がくぐもった笑いを漏らした。
本気ですか?
僕ほどの正直者はいません。
そしてきみほど素直で純粋な人もね。