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メルマガ小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略

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#日本

第291号(2025年1月6日) 「適応」するロシア軍と日韓攻撃計画?

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第274号(2024年7月29日) 進む日欧軍事協力とロシアの出方

【今週のニュース】ロシア軍の戦死者数の実態は? ほかウクライナ東部戦線の状況が急速に悪化  広く報じられているように、ルハンシクからドネツクにかけてのウクライナ東部戦線の状況が急速に悪化している。特に今年2月に陥落させたアウディーウカ西方におけるロシア軍の進撃ペースは早く、プログレス(プロフレス)付近では1日に6kmというかつてない速度でロシア軍が進撃したという。当面の攻略目標は道路網の結節点であるポクロウシクであろう。バフムト西方でもチャシウ・ヤールをめぐる激戦が続く。

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第273号(2024年7月22日)「プーチンの平和」を拒絶するために 非・超大国なりのリアリズム

【インサイト】「プーチンの平和」を拒絶するために 非・超大国なりのリアリズムウクライナのNATO加盟をめぐる議論  7月9日から11日にかけて、米国でNATO首脳会合が開かれていました。  これに先立ってはNATO事務総長の交代が決まったり(現在のストルテンベルクからオランダ元首相のルッテへ)、3年連続で日韓の首脳が参加したりといったことはあったものの、ウクライナ支援に関しては今ひとつピリッとするところが少なかったように思います。  まず挙げられるのはウクライナのNATO

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第271号(2024年7月1日)ロシアの中距離ミサイル開発・配備と新たなデカップリング問題

【今週のニュース】カリーニングラードの海軍航空隊戦闘機部隊が航空宇宙軍へ移管  ロシアの軍事シンクタンク、戦略技術分析センター(TsAST)によると、バルト艦隊航空隊第34混成航空師団隷下にあった第689戦闘機連隊が航空宇宙軍(VKS)に移管された模様である。同連隊はカリーニングラードのチカロフスク飛行場を拠点とする戦闘機部隊であり、2011年にも一度VKSに移管されたが、2018年には再び海軍航空隊所属となっていた。今回の措置により、第689戦闘機連隊はVKSの第6航空

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第265号(2024年5月20日) 北方領土と北太平洋の地政学

【インサイト】北方領土と北太平洋の地政学北方領土・千島列島に監視システムを配備?  5月3日、ショイグ国防相(当時)は、クリル列島(北方領土と千島列島を合わせたロシア側の呼称)に太平洋艦隊用の電波監視哨を設けると発言しました。ロシア軍指揮官たちとの会合の中で出たものです。ショイグによれば、今回のウクライナ戦争では黒海艦隊の電波監視哨からの情報でドローン80機以上、無人水上艇20隻を破壊できたとのことで、同じようなものがクリル列島にもなければならない、という趣旨でした(この

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第262号(2024年4月15日) ウクライナ動員法改正、「核兵器禁止条約の登り方」ほか

【今週のニュース】ウクライナで改正動員法がついに可決 ほかロシア軍需産業に対する中国の支援 『フィナンシャル・タイムズ』によると、中国はロシアの戦争遂行能力を強化するための支援を強化している。同紙に対して米政府高官が語ったもので、主に巡航ミサイルやドローンのエンジン、弾道ミサイル用工作機械、半導体(戦車・ミサイル・航空機用半導体の輸入分中約9割)などが含まれるという。また、中露によるドローンの共同生産、中国からロシアへの衛星画像の提供も行われている。  その背景には、ロシ

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第215号(2023年3月27日) しゃもじの報復に超音速ミサイル---ではないという話

【NEW CLIPS】カリブル巡航ミサイルを運ぶ列車が爆発? クリミア半島北部のジャンコイで大規模な爆発があった際の映像。真偽は不明ながらロシア海軍用のカリブル巡航ミサイルを本土から輸送中の列車であったとされており、事実であればウクライナが軍用貨物の運行スケジュールを正確に掴んで攻撃したものであろう。 【今週のニュース】しゃもじの報復に超音速ミサイル---ではないという話 ほかウクライナ軍に砲弾100万発供与を決定  3月20日、EU外相・国防省会議は、今後12ヶ月でウク

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第203号(2022年12月19日) 日本の戦略三文書改訂とロシアの反応

【今週のニュース】パラムシル島にバスチョン地対艦ミサイルを配備 ほかロシアの巡航ミサイル生産能力 『ニューヨークタイムズ』は、ウクライナに対して使用されているロシアの巡航ミサイルがごく最近になって生産されたものであったと報じた。  11月23日の空襲で使用されたKh-101空中発射巡航ミサイルの残骸をConflict Armament Research (CAR)が調査した結果に基づくもので、ここに残されていたシリアルナンバーから判断して2022年の第3四半期に製造された

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第201号(2022年12月5日) 中露爆撃機が互いの基地に乗り入れ? ほか

【今週のニュース】中露爆撃機が互いの基地に乗り入れ? ほかロシア軍がザポリージャ原発からの撤退を準備中? 『メドゥーザ』2022年12月2日  ラトビアに拠点を置くロシア語メディア『メドゥーザ』が報じたところによると、ウクライナ軍参謀本部は、ロシア軍がザポリージャ原発の周辺地域から部隊を撤退させる準備に入ったと見ているようである。他方、『メドゥーザ』自身がロシア政府筋から確認した限りでは撤退の計画は具体的に存在するわけでないというが、その用意自体はあり、IAEAの管理下に

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第200号(2022年11月28日) ロシアが対日戦争を準備していた?(訳ではないだろうという話)

 【今週のニュース】 極東から派遣された義勇部隊が帰還 『TASS』2022年11月27日   ウクライナ作戦を支援するためにウラジオストクなど沿海州で編成された義勇部隊「ティーグル(虎)大隊」が特別軍事作戦の実施地域から帰還した。TASSが伝えたコジャミコ沿海州知事の発言を見るに、彼らは太平洋艦隊第155海軍歩兵旅団に編入されて戦ったようだ。  その第155海軍歩兵旅団はドネツクでの戦闘で凄まじい損害を出し、そのことをコジャミコに直訴したためにさらに苛烈な任務を与えられて

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第180号(2022年6月13日) ロシア太平洋艦隊大演習と首折れ鯖

【NEW CLIPS】サルマート重ICBM特集 その3【NEW BOOKS】バルトでの情報戦とロシアのハイブリッド戦に関する研究書二冊 ほかJanis Chakars and Indra Ekmanis, eds, Information Wars in the Baltic States: Russia’s Long Shadow, Palgrave Macmillan, 2022. Anna Autunyan, Hybrid Warriors: Proxies,

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第174号(2022年4月25日) ロシアは日本に侵攻するか ほか

【今週のニュース】新型重ICBMの飛行試験成功とロシアのAUKUS観新型重ICBMサルマート、初飛行試験に成功 『TASS』2022年4月20日  4月20日、ロシア国防省は、開発中の新型重ICBM(大陸間弾道ミサイル)RS-28サルマート(SS-X-29)の飛行試験に成功したと発表した(リンク先に動画あり)。アルハンゲリスク州のプレセツク宇宙基地から発射され、弾頭(複数形)はカムチャッカ半島のクラ射爆場に落下したとされる。ロシア軍の標準的なICBM試験である。  第148

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第152号(2021年11月8日) 中露軍事協力との向き合い方、ベラルーシと新「共通軍事ドクトリン」

【今週のニュース】爆撃機と無人機の連携、ロシアとベラルーシの共通軍事ドクトリン無人機を「眼」とするロシアの爆撃機  ロシア国防省系テレビ局「ズヴェズダ」のサイトに掲載された一本の記事が、ロシア軍事ウォッチャーから注目を集めている。ロシアで開発中の新型無人航空機(UAV)を紹介してく中で、ステルス戦闘無人機(UCAV)オホートニクがTu-95MS戦略爆撃機からの遠隔操縦を受けていたという記述がそれだ。  Tu-95MSによるUAVの遠隔操縦という事実自体は2020年12月2

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第151号(2021年11月1日) シリアでロシア航空部隊の大規模展開? 地対艦ミサイルの「艦隊間機動」訓練 ほか

【今週のニュース】シリアでロシア航空部隊の新たな大規模展開? ほか中央アジアへの武器輸出 『TASS』2021年11月2日  連邦軍事技術協力庁(FSVTS)のドミトリー・シュガーエフ長官は、2021年中にカザフスタン及びウズベキスタンに多数の武器供与を行ったことを明らかにした。同長官の発言によると、その主なものはSu-30SM戦闘爆撃機、Mi-35M武装ヘリコプター、ブーク-M2E防空システム、BTR-80/82A装甲兵員輸送車、オルラン-10E無人航空機、タイフーン-K

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