第215号(2023年3月27日) しゃもじの報復に超音速ミサイル---ではないという話
【NEW CLIPS】カリブル巡航ミサイルを運ぶ列車が爆発?
クリミア半島北部のジャンコイで大規模な爆発があった際の映像。真偽は不明ながらロシア海軍用のカリブル巡航ミサイルを本土から輸送中の列車であったとされており、事実であればウクライナが軍用貨物の運行スケジュールを正確に掴んで攻撃したものであろう。
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ウクライナ軍に砲弾100万発供与を決定
3月20日、EU外相・国防省会議は、今後12ヶ月でウクライナに対して砲弾を100万発供与することを決定した。
第213号で取り上げたように、現在のウクライナ軍は砲弾不足のために保有火砲が本来発揮できる火力の5分の1ほど、ロシア軍の3分の1程度しか砲撃が行えていないとされる。この意味では、EUの今回の決定は画期的なものと言えよう。
ただ、今回決まったのは当面の砲弾供与と共同調達のために各10億ユーロを供出するとともに、さらに砲弾の増産を行うための投資という三本柱から成る措置である。したがって、100万発の砲弾は今すぐに届くわけではなく、あくまで「12ヶ月で100万発」に過ぎない。特に今年の春から夏にかけて予想されるウクライナ軍の反攻作戦開始までに何万発が届くのかは明らかでなく、今後の焦点となろう。
なお、『ファイナンシャル・タイムズ』は、火薬、TNT、ニトロセルロースといった原材料の不足が砲弾の増産に遅れを招いていると報じている。
西側からの装甲戦闘車両供与をめぐる話題
1月に相次いで決まったウクライナへの装甲戦闘車両の供与が具体化しつつある。
その第一はドイツのマルダー歩兵戦闘車のウクライナへの移送が始まったことで、20日にドイツのピストリウス国防相が明らかにした。マルダーは合計40両が供与される予定である。
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