月曜(コミュトレ):第101週(提案力 子どもの意見や提案を多く出してもらうには)
「親が変われば世界が変わる」のCCC HUMANです。
月曜日はコミュトレというものをテーマにします。
今週は提案力(Proposal)です。
CCC HUMANでは提案力を
「言いたいことを躊躇せずに言える」と定義しています。
提案力があるということは、
まず言いたいこと伝えたいことがあるということが
必要ですよね。
つまり自分の意見があるということです。
答えがある問題を小さなころから解く練習をしている日本人は、
海外の人から見ると、自分の意見がないと思われがちです。
今日は日本とアメリカの違いから、
子どもに意見を言ってもらうことの工夫をお伝えします。
●アメリカと日本で絵本の読み聞かせ肩が違う
それもそのはず、
「思考力・読解力・伝える力が伸びる
ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ」
という本によれば、
アメリカと日本で子どもへの絵本の読み聞かせのやり方が
全く異なるようです。
日本では、子どもに絵本を読んであげるときは、
親が一方的に読んでいるのを聞かせるのに対して、
アメリカでは、対話をしながら絵本を読み進めていきます。
どのようにするかというと、
絵本の中に出てきていることにたいして
「あなたはどう思う?(What do you think?)」
「なぜそう思う?(Why do you think so?)」
という問いかけが頻出するそうです。
「どう思う?」自分の考える機会を多く与え、
「なぜ?」で論理的に考えさせるよう心がけるのです。
●アメリカでは意見を求められ、正解もない
子どもの頃からこのような問いかけをやっているので、
学校でも
「あなたはどう考え、なぜそう思うのか」
を多く問われ、試験も記述式が多いそうです。
そして、それは先生の意図する考えである必要はありません。
つまり正解はないということですね。
これからの時代に必要な力はこのような
「自分で考える力」そしてそれを「伝えるっ力」が必要です。
なぜなら正解があることは人工知能に任せてしまえばいいのです。
●アクティブリスニングに徹しよう
さて、この本を見て「私もやってみよう」と思うかもしれませんが、
私はその前にまずはアクティブリスニングを
しっかり身につけてからスタートするのが良いと思います。
というのも、このアメリカと日本の違いの根幹として、
「正解はない」と考えているか「正解はある」と考えているかは、
大きな違いです。
「個人の意見があって当たり前」と思うアメリカに対して、
日本では「こう考えて欲しい」という親の願望があるように感じています。
この絵本を見たらこういう気持ちになって欲しい。
この遊びをしていたら、その遊び方の通りにして欲しい。
お友達とは仲良く平和に遊んでほしい。
その親の期待感、ある意味自己主張と言ってもよいでしょう。
この自己主張が子どもの意見を阻んでしまいます。
そこでアクティブリスニングです。
1957年にアメリカの臨床心理士カール・ロジャース博士が
提唱したものですが
これは日本語では積極的傾聴とも言います。
このアクティブリスニングは、
話し手の感情や事実を主体的に聞き、
問題の本質を明確にする聞き方ですが、
この「話し手が主体的」というところがポイントです。
●親の自己主張を我慢する
アクティブリスニングで親が子どもと対話するときに
大事なポイントは、
自己主張を避ける
共感して聞く
問いかけをする
この3つです。
その最初として自己主張を避けるというところが最大のポイントです。
こうあって欲しいと願えば願うほど、
子供の意見に対して否定もしくは誘導してしまいます。
桃太郎と読み聞かせ、
「鬼ってかっこいいね!」
と言われて、『そうじゃない』と思ったら、
それはその時点で自己主張が入っています。
「鬼がかっこいい」と思ってもいいのです。
大事なのはそのことを共感的に受け入れ
「なぜ」そう思ったのかを問いかけることです。
●まとめ
子どもの意見を出してもらうには、
日ごろの対話の中で親は聞くことに徹することが大切です。
子どものどんな意見でも受け入れるという気持ちを持ち、
積極的に共感していき、
その考えを尊重したうえで深堀する問いかけをしていきましょう。