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耳で読む教育基本法・第16条

教育基本法を朗読しました。
今回は第16条です。

教育基本法第16条にある
「教育は、不当な支配に服することなく」
という言葉は、
その歴史的背景と現代社会への
強いメッセージを伝えています。


戦後の教育改革と教育基本法

第二次世界大戦後、
日本は民主主義社会への転換を図る中で、
教育制度も大きく改革されました。

戦前の教育は国家主義的で、
国家のために働く人材の育成が
重視されていました。

しかし、
戦後は個人の自由と人権を尊重する
新しい教育制度が求められました。

1947年に制定された日本国憲法と
教育基本法は、
その新しい教育の基盤を築きました。

教育基本法第16条にある
「教育は、不当な支配に服することなく」
という文言は、
戦前の教育が
国家の強い統制下にあったことへの
反省から生まれました。

教育の自主性と独立性を守るため、
この言葉が法律に盛り込まれたのです。

第十条(教育行政)教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。

昭和22年制定教育基本法「教育行政」

平成18年の改正教育基本法と比較すると、
昭和22年の条文の熱量が高いと感じます。
また、「法律の定めるところにより」
という文言が加わったことで、
少しクールダウンした表現になりました。

第十六条 教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。

平成18年改正教育基本法「教育行政」


国と地方自治体の役割分担

さて、教育基本法第16条の「教育行政」では、
教育に関する施策の実施において、
国と地方自治体の役割を
明確にしています。

国は教育の基本方針や全国的な基準を設定、
地方自治体は地域の実情に応じた
具体的な教育施策を実行します。

文部科学省は
全国の学校に共通のカリキュラムを提供し、
教育課程の基準を定める
「学習指導要領」を作成しています。

このように、
国は全国的な視点から教育の方向性を示し、
統一的な教育を提供するための枠組みを
整えています。

一方で、地方自治体は地域に根ざした教育を
実施する役割を担っています。

例えば、東京都では
「東京都教育ビジョン」を策定しました。
これは、教育の質を向上させるためには、
DXの推進や、優れた教員の確保が
一層重要であると、
東京都の教育の方向性を示しています。

このように、各地方自治体は
地域のニーズに応じた
独自の教育施策を実行し、
地域に密着した教育環境を整備しています。


小学校プログラミング教育の必修化

教育の世界でもDXの推進が叫ばれています。
最近の具体的な例として、
小学校プログラミング教育の
必修化があります。

現代社会のデジタル化に対応するため、
2020年度から全国の小学校で
プログラミング教育が必修となりました。
文部科学省はこの施策を推進し、
全国の学校に共通のカリキュラムを提供しています。

プログラミング教育は、
コンピュータの使い方だけでなく、
問題解決能力や論理的思考力を育むこと
を目的
としています。

プログラミング教育を通して、
試行錯誤を繰り返しながら論理的に物事を考え、
解決策を見つける力を養います。

国際的な競争力を高めるためにも、
日本の子どもたちにとって重要なスキルです。

まとめ

戦後の教育改革を経て、
国と地方自治体はそれぞれの役割を果たしながら、
日本の教育を支えています。
特に、最近のプログラミング教育の必修化など、
現代社会のニーズに応じた施策が推進されており、
未来を担う子どもたちに必要なスキルを
育成するための取り組みが続けられています。


第三章 教育行政


(教育行政)

第十六条 教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。

  • 2 国は、全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るため、教育に関する施策を総合的に策定し、実施しなければならない。

  • 3 地方公共団体は、その地域における教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならない。

  • 4 国及び地方公共団体は、教育が円滑かつ継続的に実施されるよう、必要な財政上の措置を講じなければならない。



BGMは、ぶんちゃん @bunbunmarufumi の楽曲「ゆうしゃのむらの朝」をお借りしました。


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