ゲーム開発の新卒PMの採用状況と感じたこと
サイバーコネクトツーの山岡です。
以前のnoteで「今年からプロジェクトマネージャーの新卒採用をはじめました」とお話しました。
正直、採用は苦戦するかな…と感じていましたが、なんと既に2名の新卒入社が決定しました!
入社予定者は、いずれも四大卒(予定)で1名はゲーム制作経験ありで、1名は経験はありません。
2名ともエンタメの可能性やマネジメントの必要性の理解度が高く、採用面接時には質問そっちのけでマネジメント談義に盛り上がってしまいました。
いずれも伸びしろだらけの若者です。新しい風を吹き込んでくれると期待しています。
■PM新卒採用を進めてみて感じたこと
PM職の新卒採用を進めてみて、市場や応募者の特徴が見えてきた部分もあったので、まとめてみました。
・新卒PMを募集しているゲーム開発会社は少ない。なので、だいたい同じ企業に応募していることが多い。
応募者に他社への応募状況を聞いてみると、だいたい同じ企業名が出てくる。それだけ募集している企業が少ないのだと思う。PMの資質がある人はどの企業も欲しいし被る確率も高くなる。CC2のPM職が他社と比べて何が違うのかをもっと応募者や学生に説明できるようにしたい。
・ゲーム開発会社の総合職での応募、就職を検討している学生も多い。
新卒PMの募集が少ないので、ゲーム会社のPMを目指す学生は、総合職でも応募していることが多い。総合職で入社した場合、PM以外に営業や宣伝、品管など適正を見て配属先が決まるケースが多い。CC2の場合、総合職ではなくPM職種での採用なので最短ルートでPMを目指せることはアピールになると思う。また、総合職希望の学生へのアプローチも積極的に検討していきたい。
・マネジメントを学びたい、武器にして活躍したいと思っているが、具体的に何をしたら良いかを模索している学生が多い
応募者は総じて「マネジメントを学ぶために学生間でのチーム開発やイベント運営リーダーなどを積極的にやってますが、まだまだ足りていないと思っています!何をしたら良いですか?」という貪欲な人が多い。ただ、マネジメントって色々な知識やスキルが幅広く求められるので、これをやっておけば間違いないというものは無いのも確か。
個人的にPMに必要なものって、プロジェクトや会社のことを自分事と捉える責任感、自分の正義や考えではなく俯瞰で物事を見れる客観性(目線)、判断や計画に説得力や正当性を持たせるための知識、だと思っている。
前者の2つは、多くの経験をし知見を得ることが必要だと思う。アルバイトをたくさんしても良いし、親の仕事の話を聞いてみても良いと思う。社会や経済、組織がどのように回っているのか、どんな人がどんな意識で働いているのかを知ることが近道なんじゃないかなと思う。
知識は本を読むことと実際にモノを作ってみることを勧めています。個別にお勧めの書籍を伝えたりしていますが、別の機会に本noteでも紹介したいと思います。
■面接でよくある質問と回答
参考までに面接で応募者からよくある質問とその回答をまとめてみました。
●研修はありますか?どのような内容ですか?
まず入社後1~2ヶ月に渡って、ビジネスマナーや開発の基礎講座など座学中心の研修があります。また、社長や副社長の講話や会社のキーマンとのコミュニケーション面談も研修の一環としてあったりします。ここまでは他の開発スタッフや業務部スタッフと同じカリキュラムになります。
開発の技術職の場合、並行して専門職種ごとの課題研修を約3ヶ月行い、その後、実際のプロジェクトに入り入社後一年間はOJTを行います。
PM職の場合、課題研修はありません。上長指導の元、OJTで業務を覚えてもらいます。下記のスキルマップを順番に経験してもらい、任せてもらえる範囲やレベルを増やしていくイメージです。
●PMになるためのステップはありますか?
いきなりプロジェクトのPMをやってもらうことはありません。マネジメントに必要な管理を一通り経験してもらいつつ、まずはセクションと呼ばれる単位での管理を行うところからスタートします。そこから管理するセクション数を増やしていき、一つのプロジェクトを管理できるようになるステップをイメージしています。
PMとして一つのプロジェクト管理を任せるまでの期間は、最長で3年以内を目標と考えています。(4年目以降にPMとして活躍してもらうことが最低ライン)習得スピードや理解度によっては1年目、2年目でもPMを任せていくつもりです。
●拠点はどこがよいですか?
基本的には福岡、東京、大阪のどこでも活躍してできる体制を取っていますし、拠点の配属は本人希望やご家庭事情等を優先しています。ただ、福岡本社はコミュニケーションを頻繁にとる開発スタッフが一番多く在籍しているのでPMの業務効率が良い。また、制作プロデューサーやディレクターなどリーダーも多く、近い距離で学びが得られるメリットがあります。
■まとめ
以上、ゲーム開発の新卒PMの採用状況のお話でした。
私自身、ゲーム開発の管理業務を行うにあたって大事にしていることがあります。それはクリエイターをリスペクトし最大化することです。
いくら管理をしっかり行って予算やスケジュールを守ったとしても、商品やコンテンツが60点、80点ではダメなんです。感動はお客様の期待を超えてこそ生まれます。その為に力を最大限発揮できる環境を整えサポートを全力で行うことも管理業務のひとつだと思っています。
入社予定の新卒PMやゲーム会社のPMを目指している方は、このマインドも大事にしてほしいと思っています。