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ブッダが説いたこと

 ワールポラ・ラーフラ著、岩波文庫2016年。原書「What the Buddha taught 」は1959年の出版。難しいです。

 ボクは最近、YouTubeでスマナサーラ長老の動画を発見して以来、いわゆるテーラワーダ仏教というか長老派というか上座部というか小乗仏教に興味を持ちました。ガチで悟りを開こうとする人々ですね。入門書としては、スリランカ出身のこの著者の本が良さそうなので読んでみました。

 あえて要約すると、当時(今も)人々が信じていた(いる)神や不滅の魂というものを否定したうえで、高徳な人格を得る修行や瞑想によってニルヴァーナという絶対真理を体現することを目指しなさい、そうすれば悩みや苦しみを超越した幸せな人になれますよ、という教えのようです。四諦八正道ですね。

 ブッダは出家しろとは言わなかったことや、瞑想の仕方に色々あることを知っただけでも良かったです。でも、「私」「自己」などいうものは無い、そんなものは諸悪の根源である、と言われればそうですねと納得はしますが、ケーマカという僧が到達したという「私は存在する」という感覚の無くなった境地は、無理じゃねぇかなと思います、正直。そうした幻想を脳内に作り出しただけではないかなと…

 皆さんの見ているものは幻想です、私の見ているのが現実であり真理です、というのはちょっとどうでしょう。ボクはどちらも幻想だと思います。

 ユバル・ノア・ハラリは「サピエンス」で、ホモ・サピエンスは7万年ほど前の認知革命以降、現実世界を、自分たちの作った幻想(物語)世界を介して間接的に生きることになったと述べています。神やお金や国や会社といった共同幻想。自我という個別の物語。これに、ブッダの説いたニルヴァーナ(絶対真理)も加えておきましょう。


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