防衛大学校の受験を断念した色覚異常者の残したメモ
先日、あのツイートに添えられた画像が話題になっていました。
※そのツイート自体は非公開になりましたが、こちらにまとめがありました。
https://snjpn.net/archives/65453
それは、中古の防衛大学校の赤本に書き残されていた、かつての受験生のメモです。
要約すると、「潜水艦の艦長になるという夢をもって防衛大学を受験していたが、色覚異常者は受験資格がないため断念せざるを得なかった。この赤本を手に取った人はどうか合格して私の代わりに日本を守ってほしい」という内容です。
10代が書いたとは思えないほど堂々とした筆跡で、相当な思いが込められていると感じました。
以前記事にもしましたが、かつて義務だった小学校での色覚異常検査は2003年以降希望者のみの検査になりました。
多くの人が職業に紐付いた夢を持ち始めるのが何才ごろなのかはわかりませんが、私はやはり10歳ごろには自分の体の特性について自覚しておいたほうが良いと思います。
色覚異常者に応募資格のない職業について、以前こちらの記事で列挙しました。
色覚異常ではなれない職業というのは、現場で素早く的確な判断が求められ、且つ人命に関わる仕事が多いことがわかります。
そのような職業を目指す人というのは、相当な想いを持っていることが多いのではないでしょうか?そんな人が、自分の努力とは関係のない部分で挫折をしたことには想像しがたい苦しさがあったのではないかと思います。
この場合、私は守られる側の国民の一人ですが、「こういう思いをもった人にこそ自衛官として働いて欲しい」と思っています。皆さんもそのように感じられるのではないでしょうか?だからこそ、このツイートは話題になったのではないかと私は思います。
彼の夢は艦長でした。さまざまな計器や表示を見ることになるでしょうから、色覚異常でそのポジションを務めることは難しいのかもしれません。
ただ、本当に自衛隊の全てのポジションで色覚異常はNGなのかは疑問です。
今、自衛隊の幹部になっている人たちの多くは防衛大学校を出た人たちでしょうか。そうすると、組織の100%が色覚健常者ということになります。あれだけ男性が多い組織で、色覚異常者がいない環境というのは極めて珍しい環境だと言えます。
そのような環境では「これは色覚異常でもできるのか、できないのか」という議論がそもそも起こりにくいのではないでしょうか?
「何かのために働きたい」と熱意を持っている人は貴重な人材です。一括りに色覚異常者はNGとせずに、彼らに用意できるポジションは本当にないのか、改めて検討されることを願っています。
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