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松本で出会う本と静寂の時間

一昨年の春、図書館時代の仲間に会うため、松本を訪れました。幹事役は、私たちの館長仲間のひとり。ランチやカフェのチョイスに到着時からテンションが一気に上がりました。

まず訪れたのは、松本本箱(松本十帖)です。選書はブックディレクターの幅允孝(はばよしたか)さん率いる『BACH』と、日本出版販売の選書チーム『ひらく』。それだけでも期待が膨らみます。

参加メンバーは図書館関係者ばかりとあって、早速本棚の選書や配架チェックをしていました。この本をこの書架にこう並べる意図は?隣の書架からのつながりは‥とあれこれ話したり考えたりしながら見るのは楽しかったです。

一方で、近年ではマチナカやショッピングモールの書店が、コミックや文芸書、実用書に特化し、書棚の多様性が失われつつあることを改めて実感しました。本と偶然の出会いがある場所が減っている中、松本本箱のような場所は、まるでオアシスのように感じます。

世の中では「活字離れ」や「本離れ」が叫ばれていますが、それでも松本本箱がこれほど賑わっているのは何故でしょうか。多くの人々が足を運び、じっくり本を手に取り、まるで友人と話すように本と向き合っている光景に心が温まりました。

そこで手に取った本はどれも魅力的で、持ち帰りたくなるものばかり。迷いに迷った末、最終的には自宅でゆっくり眺めたい本を3冊選びました。この体験を通して、「私は本を読みたくなくなったのではなく、読みたい本に出会えていなかっただけなんだ」と気づき、心から嬉しくなりました。

午後は、ブックカフェ「哲学と甘いもの」(詳細はこちら)でひと息つきました。このカフェは、その名の通り哲学的な視点で選ばれた本が並べられ、本をめくりながら甘いスイーツを楽しめる場所。誰にも気兼ねなく過ごせる雰囲気で、一人旅でもゆっくり過ごせそうです。

セイジ・オザワ 松本フェスティバルの開催地としても有名な松本市は、何度でも訪れたくなる場所です。この地には、大切な仲間たちとの思い出が詰まっていて、今でも私にとって特別な存在。現場から離れた今でも、再訪したい気持ちがますます強くなっています。

松本で過ごした半日は日常から少し離れた特別な時間を与えてくれました。特にこの2か所の場所は本を愛する人にも、静かに自分を見つめ直したい人にもおすすめの場所です。ぜひ訪れてみてくださいね。


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