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到達の中間と意固地のさきっぽ

【魚眼レンズで愛憎を覗いてしまいまして、尻尾を巻いて逃げる狼、土壁にはまった子ぎつねに、領土の主が花弁を叩く。音に乗せて悪夢を象り、そうしてまたあと皿滑りのひび割れ】

彼の頭の中には劣等感まがいの汚物がまだ入っていました。なんだかそれに腹が立ったので、舌打ちをして感情を沈めました。無様な様子がピエロよりおかしかったのです。だってその場所にいるだけで、動こうとしないのですもの。それよりも見過ごしたのは、そんな自分の升目に錯覚を起こしている君のことでした。

(揺蕩いたじろぐ、あなたの未来と存在の事実)

重ね合わせた姿を貼り合わせながら、レースの机の上でお茶会を致しました。紅茶の香りが漂います、おとぎ話のような本当の臭いでした。目の前の貴方が錆びた声でわたしを見下すのです。何もないことを笑うくせに、私のことを信用していると言いました。

貴方がしわの入った瞳でわたしを見つめるから、それがどうしようも情けなくてその優しさに唾を吐きました。

なにをそんなに怒っているのですか?

(ほんとうは知っているんだよ、

これはただの時間稼ぎの試しの手遊びです。)

知ったような呟きがざわざわとわたしをくすぐるのです。大半が居心地の悪いものでした。年齢という枠を超えすぎており分からないまま死んでいくのかもしれません。

虚しさが残るのです、理解できるほどの穴埋めに時間が足りません。

どうにかお勉強をしておりますが、貴女様のようになれないのですよ。

犬の足跡を追いかけながら、土に卵を埋めました。しるしをつけてもらったのです、ここからここまでが誰のものか決めていただいたのは、わたしの単純な弱さでした。

あの人は知らないのです。

わたしなんての言葉に愛情が含まれている事実を。

(不器用でした。なんせ似すぎてしまったのです。)

庭のアジサイに蝸牛の親子が眠っておりました。じょうろの被せで貴方は器用に新しいお家を造っていました。その様子を黙って見つめているわたしの顔を覗き込み、目と目を合わせてきます。

その行為が不気味だったことはまだ鮮明に思い出せますよ。

三日月の吸盤がひっついて取れなかったのです。

わたしのたじろぎを、貴方はそばで立ったまま見つめているだけでした。からからと昔を思い出します。まだ小石の痛みに泣いていられた、淡い世界に住んでいたときの記憶でした。

空気が入らない身体を、貴方が認識するまで痛めつけられる屈辱をご存じでしょうか?そうして次の日に朝日を浴びるとき、決まって貴方の腕の中なのです。一瞬の不穏な空気に貴方の大きい腕が反応しました。動きに合わせた電子の波が安定した穏やかを送り込んでくださるのです。

霞んだ視界は道化の仮面だけがうつりました。

それだけは秘密にしていたのです。

(プライドのへし折りをしないプライドくらいはありました)

けれども空間だけのカクテルがもう上手く求められなくなったのです。爆ぜることを馳せました。なんでか分からず、見下しの自分があられもない醜さを映して、耐えられないと泣いていたからです。

小指の指切りげんまんを先に破ったのはいつもわたしでした。けれど悪い子だって叱られなかったことに、顔を覆うのです。中途半端な首に赤い糸を巻き付けて所有物にしたのは、まぎれもなく貴方だったけれど。

黑い腹を出しあいっこして原っぱで寝そべりました。肉汁だけのゼリーのほおばり方を教えてもらったのです。切符の煙管を吸い込んで、はらわたの原材料を探しに土管の中で踊り狂いました。

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興味と好奇心がまさる年頃少女は茶色の背広に伺っております。灰色の電信棒だけがその光景を見つめていました。その情の行方が気になったようです。思った通りにならない策略に安堵しつつ、落胆しました。

「過去になったの、未来になったの、はたまたずうと貴方はあなた?」

(ねぇねぇ、似た者同士の集まりと忘れられない飴玉)

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