懐かしいもどかしさと、知らないままの

お待ちくださいと手を差し伸べるのです。それでも黙っている言葉が地面に落ちていくのでした。僕は間違えたかもしれませんが、正解も分からなかったのです。動悸が空気を揺さぶりました、伝線した温もりだけが空虚に染まるのです。

すべてを言えるわけではなかったから、同じことの繰り返しだと

（それももう乱雑な建売だらけの、蓮華の露は落ちませんでした）

眼差しがいつも同じ方向に向くことなどありませんよ。僕はそう見られたように繕い続けるのです。心の中などだれにも分かられず、ただひっそりと僕は花を植え続けようとそれでも思うのです。

庭の猫が鳴きました。僕はそれに投影をして、無駄話の首にバツ印をつけていきました。

変化していないようで変わる流れが本物です。

それを当てはめるなら、僕は揃ったパズルでした。

皆も同じように揃い続けて繰り返すのです。

辛い悲しみなど無理して背負い続けるのももう嫌だったなら、そうそれで羽を広げるべきだと思いました。夢の勉強材料だと、ただの前払いの悪意飲みですよ。背骨を筋立てて軽快なステップで気取りました。

傘を広げて飛べば虹の向こう側に行ける気がしたのです。

そんなようすを、僕は切らさないように温めておりました。

「わたしはそんなきみをねがっています。」

「つよいとはいったいどういうことですか。」

息苦しい毎日を憂鬱で生成する。癌だけを捌いては切り取る作業を、淡々と繰り返し、真似してはまた除外の形成も。

記憶の移り変わりに吐き気を覚えたのは、大人になるということを受け入れたくなかったからだと理解したのは最近のことでした。

穢れを受け入れないと生きていけない残酷な世界よ

僕は早々に辞退したのだった、嫌だったのは崩壊と朝日の陰り

助長が瞼に涙の装飾を施しました。怒りなどとうに無くなっていたのです、レンズが厚みを帯びるほど嘘が色濃く残りました。

何度も名前を呼ばれた気がしたのです。

無視をし続けた僕は、とうとうお返事を考えるようになったのです。

慣れない文字が運んできた眼が苦しくも幸せなひと時をくださいました。恐れを知ることになりました、悲しみのいろがオレンジ色だってかまわなかったのです。

失う幸福は長く続く不幸と似ているようでした。

筆が墨を含ませながら廃墟を旅していました。それに感謝ができたらこんなことにならなかったのかもしれません。

白いハトが鳴いたような気がしたのです。

（もう僕にはそれを認識する器官が退化していた）

それを理由に逃げまどい、覆う時間で光を忘れて、それを冒険として受け入れることをしたのです。自分のことしか考えない日々は安寧から遠く白魚の目玉も木こりの斧と比べようもなくなってしまったのでした。

なぁ、もう僕はあの頃と違う生き物になっちまったんだぜ

そうかい、それでも。お前はお前なんだよ

二羽のうさぎがつま先立ちで背比べをしておりました。それを楽しいと歌うのでそのままでいて欲しいと、僕は愛を学ぶのです。

すべてに手を繋げることができるような器用さがあれば、蝶のような飾りを愛でることなどしなくて良かったのでしょうか。人を縫うように生きることを飲み込まないといけないのでしょうか。

優しさは弱さだったのです。ですが弱さが優しさにはなりませんでした。

確実を選べない人間も選択に情を入れるさかしさも、要らない側の戯言でした。お遊戯だという嘲笑も頭を下げるしかなかったのです。

・牙を生やすには栄養のあるものを食べること

・爪を研ぐ用品は多くそろえよう

・毛づくろいは毎日３回、毛玉の出し方を覚えよう

・降りてこれる木の高さを把握してね

・肉球の色や形で言い争いをしないことです

５つのルールを守る日々が流れるようにできたころ、それでもない自信があざけ笑い顔を覗きました。

支離滅裂な星の跡、土星の3重の輪、創造論、瞬きの回数をとるだけのメモ帳、華の種はまだら模様、うさぎの耳のホイール、形のない無機物、コンクリートで作られたチョコレート、酸性雨の口内洗浄、透明な身体に無色の臓器、腹立たしくないニュースが流れるだけの蓄音機、地割れに効く接着剤、折れた指のパスタ、虹色のトマトは有限細胞、

書ききれない感情を僕らはどうか表した日々が。

おはようとぼくに微笑みます。