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番組台本「失意からの躍進~近江高校 準優勝への軌跡~」

場内アナウンス「準優勝校、近江高校!」
第94回選抜高等学校野球大会。近江高校は滋賀のチームとして初めて、決勝の舞台まで駆け上がりました。
市民「すごいです!感動しました」

しかし、滋賀県中が沸いた大会からさかのぼること2カ月。1月28日。校長室の電話が鳴らなかった近江高校には、厳しい現実が突きつけられていました。
岩谷校長「本校は選考されませんでした。本当に残念です」

秋の近畿大会ベスト8のうち、センバツに選ばれなかったのは近江だけ。
多賀監督「決定を聞くまで(選出を)信じていたのですが…」
山田主将「なかなか気持ちの切り替えというのは難しいかもしれないのですけれども…」
あの日、たしかに失意の底にいたチームは、いかにして全国の頂点を決める舞台にたどり着いたのか。監督と主将の言葉から、躍進の軌跡を追います。
【オープニングタイトル♪】

3月20日。近江ナインの姿は甲子園球場にありました。新型コロナウイルスの集団感染で京都国際が大会を辞退。近畿枠の補欠校だった近江の出場が、開幕の前日に決まりました。
山田主将「うれしい気持ちよりは、出場予定だった高校が出られないという…やっぱり相手校の気持ちを思うと、いたたまれない気持ちが大きい」

動揺を隠せない選手たちに、多賀章仁監督はこう言葉を掛けました。
多賀監督「『京都国際さんの思いを乗せて行こうぜ』と、これからグラウンドに出る直前に、生徒に甲子園球場の室内で話をした」

長崎日大との1回戦は延長13回。

試合を決めたのはエースで4番、山田陽翔主将でした。
山田主将「不安だった1回戦を逆転勝ちできた。チームにとって勢いに乗るために十分すぎる試合だった」

近江の快進撃が始まりました。

これまでの県勢最高成績だったセンバツベスト8を突破。準決勝では―

近江、いざ、決勝。

決勝の朝。彦根の空には厚い雲。
【吹奏楽部とダンス部の練習風景】
近江生徒「決勝の応援に行けることがすごくうれしい」
近江生徒「選手にも精一杯試合を楽しんで頑張ってもらいたい」
【近江応援バス出発】

雨が上がった甲子園。決勝の相手は、大阪桐蔭。
山田主将「やっぱり全国制覇を成し遂げるためには倒さないといけない相手。決勝で当たることにはすごく運命を感じた。だからこそ全国制覇という壁の高さを感じた試合だった」。

満身創痍の近江。

序盤から失点を重ねます。

それでも補欠校から勝ち上がってきた近江の奮闘を、地元のファンも、全国のファンも称え続けました。近江、見事なセンバツ準優勝。
多賀監督「夏は、このリベンジや。山田には『夏は必ずここに帰ってこよう』と」。

失意に暮れたセンバツ落選から62日。彦根のサクラが咲いた決勝の3月31日は、近江にとって新たな決意の日にもなりました。
多賀監督「1戦1戦、魂を燃やして感動を全国に発信してくれた」
山田主将「自分が生まれ育った場所は滋賀県なので、誰も成し遂げたことがない日本一をしたく近江高校に入学した。春に経験させてもらったことを次の夏、最大に生かせるように頑張っていきたい」
【エンドタイトル♪】

※2022年4月3日にBBCびわ湖放送で放送した特別番組の原稿です。挿入したセンバツLIVE等のツイートは映像として流したものに「近い」シーンであり、必ずしも番組とは一致しません。

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