人材コンサルタントの資質で重要なこと
皆さん、こんにちは。カタリストエージェントの勝田です。
最近、ある記事を読んで人材業界に長く携わってきた者として非常に残念に思うことがありました。その記事の中では、もちろん全ての人材紹介会社がそうではないと断ったうえで、例えば「人の年収を計算していくらで売れるのかを考えるのが好き」とか、多くの紹介会社が返金規定の対象期間としている「3ヶ月間だけ入社者を手厚くフォロー」等、まさに人をモノのように扱う営業マン（コンサルタント）の様子が描かれていました。
実はこういう事は昔からありましたが、いまだにこのような状況が残っている事について非常に残念に思うとともに業界に長年携わってきた者として責任の一端も感じる内容でした。
そこで今回は人材業界の仕事に携わる人材コンサルタントの資質で重要なことについて考えてみたいと思います。
なぜ、このようなことが起きるのか？
冒頭で紹介した記事のような事例はなぜ起こるのでしょうか？
一つには人材紹介会社の新規参入のし易さからくる紹介会社の乱立とそれに伴うコンサルタントの質の低下が挙げられます。厚生労働省の職業紹介事業報告によると有料職業紹介事業所数は平成24年度（2012年）から毎年増え続け、16,916事業所から令和4年度（2022年）には28,740事業所となっています。この10年間で約1,7倍も増え、実に1,1824事業所が新たに設立された計算となります。詳細は下記ファイルを参照ください。
これだけ多くの事業所が設立されたのであれば、必然的に業界未経験者が多く採用され、そのことで現場も疲弊し、コンサルタントの育成が追いついていない状況が起きている事は容易に想像がつきます。つまり、構造的にコンサルタントの適性がない（と思われる）人まで採用している状況があるとも言えるのではないでしょうか？
もう一つは会社のマネジメントの問題が大きいのだろうと思います。つまり、とにかく数字を上げることをコンサルタントに求め、プロセスを見ずに結果だけを評価していくケースです。
この場合は組織全体が顧客やマーケットではなく、社内的な「数字」を追い求める風土になっており、「今月はいくらいくのか？」「あと何件追えるの？」「今月の目標は達成するのか？」みたいな会話がどうしても多くなリます。担当業界や所属組織が好調であれば、このようなマネジメントで数字を大きく伸ばすことは可能かもしれませんが、長期的に成長していく組織を作っていく事を考えるとやはりこれだけでは成長していかないのだと思います。
私も部門長時代には当然、第一のミッションは部門の業績達成であると常に認識をしていました。ですからこのようなマネジメントスタイルを完全には否定はしません。ただ、顧客を置き去りにした内向きなマネジメントになっていないかという点は十分注視しておくべきことだと思います。
人材紹介事業の根本は、「人」を扱っているということ
以上のようなことは、ある意味人材紹介ビジネスが「参入障壁が低い」ことや「労働集約型」のビジネスであるという側面からどうしても起きてしまう部分もあるかと思います。
しかし、この観点は人材紹介ビジネスを一側面からしか捉えていません。
実は人材紹介のビジネスには他のサービス業と比べて決定的に違う点があります。それは人材紹介が扱っているモノは、単なるモノではなく「人」であるという点です。心や感情を持っている人を扱っているビジネスだという点です。
このことを会社を経営する経営者やマネジメントはもちろん、コンサルタント一人ひとりも意識をしておくことがとても重要なことだと思います。
コンサルタントの資質として一番重要なこと
それでは、人材紹介事業が「人」を扱う人材ビジネスである以上、コンサルタントの資質として一番大事なことは何でしょうか？
色々あるかと思いますが、私はスキル以前に最も重要なことは人に対するコミュニケーションや態度が「誠実」であるかどうか、ということだと思います。
そのような誠実で真摯なスタンスで相手に向き合っていくことがそもそも人材紹介の仕事なのです。人材紹介の仕事は人の人生を左右しかねない非常に責任ある重大な仕事です。だからこそ、人としての誠実さや人間力のようなものが大事になってくると思います。
人材業界のイメージをもっと良くしていきたい
単に年収を稼ぎたいというのであれば、他にもっと稼げる仕事はたくさんあります。そうではなくこういった仕事の意義を理解し、それに共感するコンサルタントがもっと増えていけば人材業界のイメージはもっと良くなっていくと思います。私はそれだけ人材紹介の仕事はやりがいがあり、長年にわたって注力していくに値する仕事だと思っています。
「●●さんのようなコンサルタントに会えて良かった」「●●さんのおかげで思いもよらなかった人生が切り開かれました」「●●さんのおかげで今、やりがいを感じて毎日、楽しく働いています」「●●さんのおかげで会社の新規事業が軌道にのりました」「●●さんのおかげで業績が回復しました」のような声がもっともっと生まれてくるといいですね。
弊社、カタリストエージェントも微力ながら人材業界の発展にこれからも貢献してしていきたいと思います。
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